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レビュー/アベンジャーズ・システムを導入した初のライブ「BABYMETAL AWAKENS - THE SUN ALSO RISES -」

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BABYMETAL AWAKENS - THE SUN ALSO RISES - / BABYMETAL 2020年4月発売(THE ONE会員限定) 2019年6月28日,29日に横浜アリーナで行われたライブを収録した映像作品(ライブCD付き)。ファンの間で物議を醸した2018年の〈ダークサイド〉を経て,誰もが固唾を飲んで見守るなか開催された本公演は,ご存知のようにサポート・ダンサーを3人の〈アベンジャーズ〉の中からローテーションで選出するというシステムで行われた最初の公演だ。本作に収録されてるのは2日目である。 〈アベンジャーズ〉システムを採用して2日目なので,SU-METALとMOAMETALの表情から緊張感はさほど感じられない。むしろ適度にリラックスしているようで,特にSU-METALの「破顔一笑」が印象に残る。1日目を無事に終えたことで,ある程度の手応えと自信を得たのだろう。ステージ上の2人がパフォーマンスを純粋に楽しんでいることが強くうかがえる。ただし2日目とはいえサポート・ダンサーは前日とは異なるので,いわば初日が2日続くようなもの。内心では適度な緊張感とプレッシャーがあったのではないかと推測する。 もちろん,今こうして振り返ってみると,この日のパフォーマンスは同年9月のThe Forum公演や11月及び翌年1月の日本公演と比べれば全体的にこじんまりとした印象を受けるし,SU-METALとMOAMETALの様子に若干の手探り感というか,慎重さが感じられるのは事実。だが,誰も予想だにしなかった驚愕の演出と圧倒的なパフォーマンスですべてのファンの度肝を抜いた2020年1月の幕張公演2デイズに通じるもの,あるいは〈ダークサイド〉によって突きつけられた「BABYMETALらしさとは何か」という問いに対する答えが,はっきりと示されたライブだったことは明らかだと思う。 BABYMETALのパフォーマンスは3人だからこそ映える。2人では単なるデュオ。1人が歌い,もう1人が踊るだけでは見ごたえがない。4人以上の大所帯だと,ダンスの迫力が散漫になってしまう。シンガー1名+ダンサー2名という最小限の構成だからこそ,シンクロする歌とダンスの魅力が増し,ステージ上で3人が織りなすフォーメーションの美しさがいっそう強調されるのだ。「やっぱりBABYMET