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2020年のBABYMETAL 前半は欧州で大奮闘の予感

2019年12月18日 Text by たろ a.k.a. TAROO-METAL 2020年,BABYMETALはどこへ向かうのか。 2019年はいわば「北米席巻」の年。9月4日のオーランドを皮切りに,10月16日のシアトルで締めくくられたUSツアーは全20公演という充実ぶり。そのハイライトは言うまでもなく10月11日のThe Forum公演だ。3rdアルバム「METAL GALAXY」のプロモーションもけっこう頑張ったようで,リリース直後の10月22日付「Billbord Top 200」では13位にランク・インした。アメリカでの地固めはかなり前進したと言っていいだろう。超名門Madison Square Guardenでの単独ライブが実現するのも,そう遠い未来のことではないはずだ。 一方で来年のテーマはどうやら「欧州進撃」のようだ。この記事を書いている12月17日の時点で発表されている日程によれば,欧州ツアーは自身初となる北欧やロシア,スペインを含め14カ国28公演がブッキングされている。スタートは2月3日のスウェーデン・ストックホルム公演。その後ノルウェー,デンマークと北欧をまわり,ドイツやフランスなど7カ国を経由して3月1日のロシア・モスクワ公演で前半戦を終了する。その後3月22日〜5月16日に比較的日程が緩やかなAsiaツアーを挟み,6月5日〜7日にドイツで開催されるフェス「ROCK AM RING」で欧州に復帰。前半戦で訪れた国への再訪やポーランド,スイスを含め8カ国をサーキットし,6月24日のスペイン・バルセロナ公演で欧州ツアーはファイナルを迎える予定だ。 このツアーでBABYMETALが初めて降り立つのはフィンランド,ノルウェー,デンマークの北欧3国とポーランド,ロシア,そしてスペインの6カ国。いわゆる西欧と呼ばれる国はほぼ訪問したことになり,残るは東欧諸国,旧共産圏の国々だ。欧州での地固めも着々と進行していると言っていいだろう。 2020年の欧州ツアーは14カ国28公演という規模の大きさもさることながら,6月に7つのフェスに出場することも見逃せない。なぜならフェス出場は,BABYMETALの認知度を高めるうえで極めて重要だからだ。これほどの密度でフェスに出場するのはBABYMETAL史上初のこと。その影響がどのような成果につな

全力意訳!「KERRANG! 1792」BABYMETALインタビュー記事

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2019年12月14日 Text by たろ a.k.a. TAROO-METAL 今さらだが,『KERRANG! 1794』(2019年10月12日号)に掲載されたBABYMETAL特集のインタビューを意訳してみた。日本語としての読みやすさを重視したので厳密な和訳にはなっていないし,うまく訳せなかった箇所もある。それどころか,そもそも誤訳もあるに違いない。なにぶん素人なので,その点を大見に見て読んでいただければ幸いである。 〈GURADIANS OF THE GALAXY〉 そして2人が残った。YUIMETAL衝撃の脱退から1年,BABYMETALは戻ってきた。より大胆に,より強く,より野心的に,そしてSU-METALとMOAMETALが明かすように,今までにないくらい絆を深めて……。 BABYMETALの3rdアルバム「METAL GALAXY」には,SU-METAL〈Vo〉の心に響く特別な曲がある。それは,アルバムの最後から二番目に収録されている“Shine”。日本のKawaii-Metal流に削ぎ落とされた,胸を打つ6分にわたる佳曲だ(フィーチャーされたギダー・ソロは一つだ)。光と希望に満ちたメッセージに触発されて,SU-METALはスタジオでレコーディングした時に歌に込めた感情をはっきりと思い起こす。ファンと共有するのが待ち遠しくなるような力強さを秘めているとSU-METALは言う。 「闇に直面すると,そのトンネルの先にはいつも光があるんです」と歌詞になぞらえてSU-METALは言う。「自分自身を信じたり,一つのことを信じたりすることは,耐え抜くべき障害がたくさんあるので,とても大変です。でも自分のことを信じれば,大きな光がいつも待っていてくれるんです。この曲を歌う時はいつも,大きなモチベーションを感じます」 BABYMETALの音楽に付いてまわるFOX GODと精霊たちの壮大なサーガがとても巨大になり,スピンオフ作品としてグラフィック・ノベルを生み出すまでになったことを踏まえれば,このような単純で現実的な感情はBABYMETALの難解な神話のただ中で容易に迷子になってしまうだろう。しかし,2016年にブレイクした「METAL RESISTANCE」以降にBABYMETALがたどった旅路を考慮するならば,困難を乗り越えることを歌った

ライブ参戦レポ/BABYMETAL「METAL GALAXY WORLD TOUR IN JAPAN」

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2019年11月21日 Text by たろ a.k.a. TAROO-METAL 以下は2019年11月16日にさいたまスーパーアリーナで行われたBABYMETALのライブ「METAL GALAXY WORLD TOUR IN JAPAN」の参戦レポである。翌17日のライブにも参戦したので,所々に2日目の感想も追記した。 ————- 本音を言うと,今回のライブよりも6月の横浜アリーナ公演の方が感動したし,より大きく魂を揺さぶられた。それはいわば当然のことで,なぜなら6月の公演はダークサイドから3人体制のライトサイドに戻ってきたという,無視するにはあまりに大きすぎる当時の特殊事情があったから。否応なしにバイアスがかかってしまうのだ。それから5カ月。「不安と期待」ではなく「期待」しか感じない心理状態で参戦した今回のライブは,パフォーマンスの成熟度・ショウとしての完成度という点で6月のそれをはるかに凌駕していたと思う。 北米で9月から10月半ばまでの1カ月半で行った20公演が新生BABYMETALのパフォーマンスを格段にレベルアップさせたことは疑いようのない事実だろう。6月に再起動してからわずか5カ月で,ショウの完成度は驚くほど高まり,より一層洗練された印象を受けた。それはBABYMETAL自身がアベンジャーズ・システムに馴染んできたからというのが大きな理由だろうが,その根底にはSU-METALとMOAMETALの「私たち2人がBABYMETALを前進させる」という並々ならぬ決意と覚悟があると思う。名曲“Arkadia”の「光より速く/鋼より強く/使命の道に怖れなく/どれほどの闇が覆い尽くそうと/信じたこの道を歩こう」という歌詞は,まさにBABYMETALの今の心情を歌った決意表明なのだ。 北米20公演を経て,2人は「私たちはやれる」という強い自信と確信を得たに違いない。そのことがこの日のステージにはっきりと表れていた。演出も含めてパフォーマンスは威風堂々としていて自信満々,余裕すら感じさせる王者の風格が漂っていた。裏では血のにじむような努力があるはずなのに,そんなことを微塵も感じさせないパフォーマンスは,まるで一流のブロードウェイ・ミュージカルを見ているかのようだった。終始涼しい顔をして優雅に踊っていたMOAMETALはその象徴だ。 約70分の

感想/WOWOWが放送した「BABYMETAL復活と進化」の横浜アリーナ公演2日目

2019年10月16日 Text by TARO-METAL BABYMETALが6月29日に横浜アリーナで行ったライブ「BABYMETAL AWAKENS - THE SUN ALSO RISING -」の模様が10月11日,WOWOWで放送された。同会場で2日間行われた公演の2日目である。サポート・ダンサーは藤平華乃(1日目は鞘師里保)。 物議を醸した2018年の「ダークサイド」を経て,はたして2019年のBABYMETALがどうなるのかということに誰もが注目する中,満を持して行われた横アリ公演。私は1日目に参戦したが,サポート・ダンサーの違いはあれどライブの基本的な構成は変わらない2日目のダイジェストを観て,当時の記憶がまざまざと蘇った。あれからまだ3ヶ月ちょっとしか経っていないのに,あの「奇跡」がずいぶん昔のことのように感じられるからふしぎだ。 この横浜公演2デイズと,その後続けて行われた名古屋公演2デイズの計4公演は,多くのファンが抱えていた不安やモヤモヤを吹き飛ばす会心のライブだった。単に「3人体制に戻った」のではなく,慣れ親しんだフォーメーションの復活を土台に,BABYMETALが次のステージへと進化したことを強烈に感じさせるパフォーマンスたったと思う。いくつかの新曲が初披露されたのはその象徴。とりわけ1曲目にいきなり繰り出された“Arkadia”は「新章の幕開け」にふさわしい大いなるインパクトを有していた。 当時はいきなりのことだったので状況がよく分からないまま“Arkadia”は終わってしまったが,3rdアルバム「METAL GALAXY」を繰り返し聴き込んでいる今,ライブ映像でこの新曲のパフォーマンスを目の当たりにすると,いろいろと気づくことがある。 まず,この曲は(この曲もと言うべきか)BABYMETALの他の楽曲と同じく,ライブでこそその魅力を最大限に発揮するということ。何が起ころうとも未来に向けて勇気と覚悟を持って前進するのだという決意に満ちた歌詞が,激しくも美しいダンスと相まってよりドラマティックに感じられる。 そして,そのドラマ性をグッと高めているのが,神バンドによって奏でられる轟音だ。アルバムを聴いた時はその音の薄さ,軽さに正直がっかりしたのだが,さすがにライブでは迫力満点のメタル仕様に仕上がっている。さらに,

レビュー/あらゆる意味で衝撃的なBABYMETALの3rdアルバム「METAL GALAXY」

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2019年10月13日 Text by たろ a.k.a. TAROO-METAL METAL GALAXY - THE ONE Limited Edition - / BABYMETAL 2019年10月発売 THE ONE Limited Edition BABYMETALらしい「問題作」だ。 アイドル側からBABYMETALにはまった人たちにとっては無理なく受け入れられるだろう。「なんじゃこりゃ!?」と驚くだろうが、抵抗を感じるどころかむしろどの曲も刺さるのではないか。逆にメタル側からハマった人たちにとっては、単純明快なメタル曲はアルバムの最後を飾る“Arkadia”くらいなので、好きになれない(あるいは興味を持てない)可能性も十分ある。単純に3rdアルバムの音楽性が、長らくメタルを好んで聴いてきた人たちの耳に馴染むかどうかが問われるとも言える。要するに好みの問題なのだが。 そもそもメタルを定義することは不可能だ。ある曲が(あるいはあるアーティストの音楽が)メタルかどうかは、その人の受け止め方による。音楽の感じ方は主観的であり、数学や物理の定義のように客観的にメタルを定義することなどできないのだ。だから「METAL GALAXY」がメタルかどうかと問うことは無意味。単純にこのアルバムが好きか嫌いかを表明することしかできない。マーティ・フリードマンが2014年に放った名言「聴いたら好きか嫌いかしかない。でも絶対に無視できない」は,5年経った今でもBABYMETALを評価する上での重要なキー・ワードなのだ。 前作「METAL RESISTANCE」はメタルを軸に据えながらジャンル横断的に様々な音楽をBABYMETAL流に調理した楽曲が居並んだアルバムだった。一方「METAL GALAXY」はもはやメタルに軸があるとすら言えないほど音楽的多様性が広がったアルバムだ。よく言えば「バラエティに富んだ曲が収録されたアルバム」だが、悪く言えば「まとまりがないアルバム」とも言える。どちらに転ぶかば聴き手の音楽的嗜好によるだろう。多様性の振れ幅が常軌を逸したレベルなので、いずれにしても「多様性に満ちている」とも「焦点が定まらず散漫だ」とも受け取られる可能性のあるギリギリの線、紙一重のところを攻めている作品であることに間違いない。 そのような

BABYMETAL 鋼鉄の言葉 第3章 2019年10月版

2019年10月8日 Text by たろ a.k.a. TAROO-METAL 3rdアルバム「METAL GALAXY」のリリースに合わせて,BABYMETALが国内外の雑誌に一気に取り上げられ始めた。各種インタビュー記事に掲載されるSU-METALとMOAMETALの発言は,例によって名言のオンパレード。ひとりのアーティストとして,そしてそれ以前にひとりの大人として,自分が置かれた立場やBABYMETALを取り巻く環境について,20歳そこそこの若者らしく大いに悩みながらも,どこまでも誠実かつ真面目に考え抜き,それでも立ち止まることなく未来に向けて歩み続ける姿が,そこにはある。公私ともども彼女たちのまわりには人間的に尊敬できて信頼の置ける人たちが揃っていることをうかがわせる記事ばかりだ。 今回は,2019年7月以降に各種メディアに掲載された名言を44個,集めてみた。 -------------------- 1 子どもたちから憧れられる存在になりたいです。 ――SU-METAL|『anan』7月10日号 No.2158(2019年7月) 2 自分の発した言葉を,自分で正解にしないといけない。 ――SU-METAL|『anan』7月10日号 No.2158(2019年7月) 3 曲数もそんなに多くない頃から,同じ曲を繰り返しやる中でBABYMETALは進化してきた。その積み重ねが「1+1=100」であり,BABYMETALの証だった。奇跡の3人だからできたこと。 ――SU-METAL|『Rolling Stone Japan』11月号(2019年9月) 4 私はBABYMETALを一つのミュージカルみたいな感覚で捉えているんですけど,BABYMETALっていう演目があって,その中のSU-METALという人物がステージに立って歌を皆に届けながら,自分も成長してく。そこに普段の私はいないほうがいいと思うんです。カッコいいSU-METALだけでいてほしいというか。 ――SU-METAL|『Rolling Stone Japan』11月号(2019年9月) 5 ステージ上のことに関して結成当時から変わらないのは,全力でガムシャラにやること。 ――SU-METAL|『Rolling Stone Japan』11月号(2019年9月) 6

レビュー/BABYMETALの超個性的な新曲"Shanti Shanti Shanti"

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Shanti Shanti Shanti / BABYMETAL 2019年9月27日配信 今年6月の横浜アリーナ公演で初披露され,その後も今年のツアーのセットリストに組み込まれているのでファンには馴染みのある新曲だが,当然ながらスタジオ盤はライブ・バージョンとはまるで雰囲気が異なる。 まず,サウンドが非常にヘヴィ。これは完全に予想外だった。EDMというかドラムン・ベースのようなリズム隊の存在感が強烈で,そこに重厚でクランチの効いたギター・リフが重ねられているので,BABYMETALの楽曲群の中でも指折りの重量感を有する曲に仕上がっている。かといって荒々しさは皆無でヘヴィネス一辺倒とうわけではなく,柔らかさと優美さを併せ持つ極めて個性的なテイストに満ちている。それはインド音楽のような独特のメロディとアレンジによるところが大きいと思う。 SU-METALの綺麗な歌声と今までにない歌唱法にも注目だ。裏声を使っているわけではないが,演歌の〈こぶし〉に近い声の出し方をしている部分があり,「SU-METALはこんな歌い方もできるんだ」と素直に驚いた。力強く歌うというよりは一歩引いた感じですべてを優しく包み込むように歌っており,彼女にしては珍しく妖艶さのようなものを感じさせる。SU-METALの新たな一面を垣間見ることができるという点で,この曲は特別だ。 唯一気になったのは,中盤の間奏パートでのギターの弱さ。たとえば今年のグラストンベリー公演ではこの部分は2人のギタリストによるユニゾンになっており,力強くグイグイと楽曲を引っ張っていたことが印象的だった。ところがスタジオ盤ではパワフルなユニゾン感はやや後退し,推進力にもやや欠けている感じがする。ライブ盤とスタジオ盤は別物ではあるものの,このパートのユニゾン・プレイはこの曲が持つ疾走感を象徴する一つの重要なパーツだったと思うので,ちょっぴり残念だ。 ところでこの曲はMVも同時公開されている。“PA PA YA!!”や“Elevator Girl”のMVと同じく,今年の日本公演の映像を編集して作られたものだ。BABYMETALの真骨頂はライブにあるので,ライブの映像を積極的に使ってMVをリリースすることには基本的には賛成だ。しかし“Shanti Shanti Shanti”は視覚的にも聴覚的にも今までのBABY

BABYMETALが公開した“Elevator Girl [English ver.]”のMVを観て感じたこと

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2019年8月27日 Text by たろ a.k.a. TAROH-METAL 「SUMMER SONIC」真っ只中の8月16日、BABYMETALが“Elevator Girl [English ver.]”のMVを何の前触れもなく公開した。以下、何回か視聴した感想を簡単に記す。 MVを見てまず気になったのは、この曲が全編英語で歌われることの違和感。英語だと日本語のオリジナル版に比べてサビの言葉数が少なくなり、元曲が有していたハイテンションな雰囲気や密度の濃さ、あるいは躁状態になってテンパっている感じ(あるいは良い意味でヒステリックな感じ)が少し薄まってしまっていると思う。多くの言葉を詰め込んだ高音ヴォーカルが一気にたたみかける日本語バージョンに対して、英語バージョンはやや間延びした印象だ。その結果、曲全体の勢いも若干削がれてしまっていると思う。どちらが良い悪いという問題ではないが、個人的にこの曲は[English ver.]よりも日本語バージョンの方が好みだ。 ふと思ったのだが,たとえば“THE ONE”にも日本語バージョンと英語バージョンが存在するが、この曲は日本語よりも英語の方が曲の雄大さや壮大なスケール感をよく表現している気がする。これはまったくの想像だが、“THE ONE”は英語バージョンが先に作られており、後からその英語詞を日本語に訳したのではないか。日本語バージョンでも英語と日本語がほぼ半々の割合であることや、ライブでは基本的に英語バージョンが披露されることも、「“THE ONE”はまず[English ver.]ありき」の推測を裏付けていると思う。 一方、“Elevator Girl”は「まず日本語ありき」で、それを後から英訳したのではないだろうか。[English Ver.]が曲の良さを表現しきれていない要因は、そのあたりにあるような気がする。 10月に発売される3rdアルバム「METAL GALAXY」の海外版には“Elevator Girl - English ver.-”が収録されるから、今回のMV公開はそのプロモーションの一環なのだろう。しかしボーナス・トラック的な位置付けの同曲をアルバムのプロモーションに使うのは、あまり賢明な判断だとは言えないのではないか。ライブでも披露済みで、シングル配信もされている曲よりも、完

所感/BABYMETALとArch Enemyのツアー日程

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2019年8月17日 Text by たろ a.k.a. TAROO-METAL 先日,BABYMETALが3rdアルバムでArch Enemyのアリッサとコラボすることをテーマに描かれたファンアートを,当のアリッサ本人が自身のInstagramに投稿して話題をさらった。BABYMETALとArch Enemyという組み合わせで私自身が思い出すのは,ライブのツアー日程のこと。 この投稿をInstagramで見る Very happy to announce that I’ve collaborated with @babymetal_official for their upcoming album “Metal Galaxy” coming out October 11th! Always a pleasure to try out new things! . . Thank you @babymetal_spain @omy_pan for the kawaii fanart! . #Babymetal #HeavyMetal #Metal #Music #SuMetal #Alissa #ArchEnemy #japan Alissa White-Gluz さん(@alissawhitegluz)がシェアした投稿 - 2019年 8月月12日午前6時51分PDT 数年前,学業や年齢の縛りがあって,BABYMETALがまだエンジン全開の状態でツアーに打って出ることができなかった頃,私は「早く何の制約も受けない状態で世界中をツアーできるようにならないかなぁ」と常々感じていた。老若男女誰でも,どんな音楽的バックボーンを持っている人でも楽しめるBABYMETALのショウを,いまだ体験したことがない人がたくさんいるというのは,実にもったいない話ではないか。それどころか,BABYMETALの存在すら知らない人が,この地球上には無数に存在しているのだ。これは由々しき問題である。大げさに言えば,この世界から醜い紛争をなくして人々の笑顔を取り戻し,誰もがハッピーな毎日を送れるようにするためには,BABYMETALが世界各地を飛び回って一人でも多くの人にライブ

BABYMETAL待望の3rdアルバム「METAL GALAXY」はどのような内容になるのだろう

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2019年8月13日 Text by たろ a.k.a. TAROO-METAL 2019年10月11日に発売されるBABYMETAL待望の3rdアルバム「METAL GALAXY」の詳細が8月9日,明らかにされた。全16曲の2枚組という大作志向という事実も驚きだが,多くのBABYMETALファンの間に激震が走った最大の要因は,B'zの松本孝弘やARCH ENEMYのアリッサ,Sabatonのヨアキムといったミュージシャンとの積極的なコラボにあったと言えるだろう。 個人的にはアリッサが参加する"Distortion"がどのような仕上がりになるのかが非常に楽しみだ。おそらくデス声パートをアリッサが歌うことになるのだろうが,アリッサの「あの声」が加わることで,元曲の迫力は数段増すことは間違いなし。SU-METALの歌声とはある意味真逆のアリッサの咆哮が,いったいどのような化学変化をもたらすのか要注目だ。 3rdアルバムの日本国内における商業的な成功という点では,松本孝弘とのコラボが大きな話題になるだろう。BABYMETALの名前は知っていても曲を聞いたことがない人たちや,アルバムを買ったことがない人たちに対して「聴いてみようかな」「買ってみようかな」という気持ちを起こさせるにはこれ以上ない選択だと思う(批判する人はいないだろうし,炎上することもないだろう)。今までのBABYMETALにはない骨太のハード・ロック調の曲が収録されるのだろうかと,ついつい妄想してしまう人選だ。 その他にも,SU-METALのソロ曲やBLACK BABYMETALの曲があるのかどうかも気になるところ。後者の実現可能性は極めて低いと推測されるが,先だっての「LEGEND - M -」で"ヘドバンギャー!!"を歌って明らかになったMOAMETALの歌唱力の高さを活かすという意味では,まさかのMOAMETALのソロ曲もあるのではないだろうかと,これまた妄想してしまう。 見どころが多くて困ってしまうくらいのアルバムだが,日本国内盤は「通常盤」のほか「アナログ盤」「初回生産限定盤」「初回生産限定 SUN盤」「初回生産限定 MOON盤」「THE ONE Limited Edition」の全6形態で発売されるという充実ぶりで,それらすべてが

ライブ・ビューイング観戦レポ/「BABYMETAL RISES - BEYOND THE MOON - LEGEND - M -」

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■ライブ・ビューイング 今回でLVは2回目だ。しかし前回は2016年4月のウェンブリー公演のLV。Zepp Divercity Tokyoで観たので,映画館でのLVは初体験。着席しての観戦はどんな感じなのだろう……とドキドキしながら観戦したのだが,結論から言うと自宅のリビングでBlu-ray作品でも観ているような感覚だった。もちろんリアルタイム中継されているというライブ感はあるし,何より映画館の大画面&大音響なので,自宅で観ているのとは迫力もケタ違い。しかし着席しているので身動きが取れず,身体全体でリズムを取ることもヘドバンすることもできない〈金縛り状態〉になってしまうのはストレス以外の何ものでもなく,その点では実際のライブ会場にいるのとは大違いだった。座ったままFOXサインを掲げるというのもなんだか気持ち悪くて……。同じLVでも,まだライブハウスでのLVの方がマシである。 とはいえ会場にいたのでは絶対に気づけないステージ上での様々な出来事や,パフォーマンスするSU-METALとMOAMETALの表情や仕草をつぶさに観ることができたのはLVならでは。特に今回は神バンドの面々が頻繁に大写しになったのも嬉しかった。けっこうアグレッシブかつアクションたっぷりにプレイしていて魂を感じた。 映画館でのLVを少しなめてたところがあるとすれば音響だ。ライブでいつも装着している耳栓はまさか必要ないだろうと思い持参しなかったのだが,実際にはさにあらず。全体の音量は爆音と言うほどではなかったものの,バランスが高音寄りだったのかSU-METALのハイトーンが時に音割れするほどだったのだ。耳が痛くなるシーンが多々あり,鑑賞後は翌日まで耳鳴りがやまなかった。低音はそれほどでもなかったので,シネプレックス幕張の音響は必ずしも良かったとは言えないのかもしれない。 ■ダンサー・藤平華乃 この日の〈アベンジャー〉,すなわちサポートダンサーは多くの人が予想したように藤平華乃だった。横浜公演に続く2回目だったので多少は余裕もあったのだろう,最初からエンジン全開で,常に笑顔で歌いながらダンス。汗だくになって必死に,ひたむきに踊る姿は,かつてのYUIMETALやMOAMETALを見ているようだった。ダンスのスキル云々ではなくて,「このステージに全てをかける」という全身全霊感。鞘師里保との比較で言

考察|BABYMETALの3人目問題/なぜ鞘師里保と藤平華乃の名は明かされたのか

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2018年の〈ダークサイド〉を経て本来の姿で再起動した感があるBABYMETAL。6月の横浜アリーナ2公演を皮切りに,イギリス,名古屋と続いた計6回の公演では,3人のサポートダンサーの存在が大いに注目された。まるで2019年になって初めて3人体制に戻ったかのような騒ぎになっているが,実はBABYMETALは2018年12月の時点ですでに3人体制に戻っている。オーストラリアの『GOOD THINGS FESTIVAL」出場時と,シンガポールでのJUDAS PRIESTのサポート公演がそれだ。 その時のサポートダンサーは平井沙耶だった。だがBABYMETAL本体はもちろん,実はどのメディアも「3人目」が平井沙耶だとは報じていない(そもそも,この時の4公演をレビューしている媒体がほぼ皆無)。各媒体に掲載された多数の写真やファンカム動画などから「平井沙耶」だと認定されたにすぎないというのが実態なのだ。 Photo: RNA Showgrounds Photo: W1snu.com その点,今回の「3人目問題」は明らかに状況が異なる。サポートダンサーが誰であるかをBABYMETAL自身が明確に説明していない点は昨年12月と同じ。しかしメディアは,横浜1日目とイギリスでは鞘師里保,横浜2日目では藤平華乃がサポートダンサーを務めたことを正式に報じたのだ。 Photo: エンタメステーション Photo: Glastonbury Festival Photo: Paul Grace Photography 2019年になり,BABYMETALがサポートダンサーの名前を事実上,公表した理由は何なのだろう。 そこには〈BABYMETALの物語性〉という要素が大きく影響していると私は考える。当人たちには申し訳ないが,平井沙耶よりも鞘師里保や藤平華乃の方が知名度が高い,というネームバリューの問題ではないと思う。 去年の12月に平井沙耶がサポートを務めておよそ1年ぶりに3人体制になった時,私は彼女がYUIMETALに代わる存在としてBABYMETALの正式メンバーになれるかどうかについて論じた(「 原点回帰の3人体制へ!シンガポール&オーストラリアでBABYMETALが示した決意 」)。その時に鍵になったのが,BABYMETALが有

ライブ参戦レポ/横浜アリーナ公演1日目「BABYMETAL AWAKENS - THE SUN ALSO RISES -」鞘師里保を従えて華麗に復活したBABYMETAL

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2019年6月28日(金),横浜の地でBABYMETALは高らかに復活を宣言した。今回のライブには〈The Sun Also Rises〉という副題が添えられているが,事態はまさにそのとおりの展開になったと言える。ギターの神の逝去とYUIMETALの脱退という危機に見舞われた2018年の活動は〈ダークサイド〉というコンセプトに基づき,メンバー構成はもちろん演出やセット・リストなどあらゆる面で制約が課せられた,いわば〈喪に服した〉1年だった。2019年になって時代が平成から令和へと移り変わる中,〈喪が明けた〉BABYMETALはついにかつての輝きを取り戻した。しかもそれは単純な復活劇ではなく,BABYMETALの代名詞である〈さらなる進化・成長〉を遂げた上での復活劇。そう,陽はまた昇ったのである。しかも,かつてよりも正々堂々と,高らかに,そして誇らしく。 ■サポートダンサー 横浜アリーナ公演最大のサプライズの一つが「3人目」のサポートダンサーの存在にあることは明らかだ。ライブ冒頭の紙芝居で3人のサポートダンサーが「アベンジャー」として選出され,どの公演で誰が選ばれるかはキツネ様が決めるということがアナウンスされたわけだが,まるでどこかのアイドルグループを想起させる選抜システムのような演出に,誰もが大興奮したであろうことは想像に難くない。正確には3人のアベンジャーの中から1人を正式メンバーとして迎え入れるというわけではなく,あくまでもサポートメンバーの1人を3人の中からローテーションでまわすだけ。しかし3人目の正式メンバーを決めるための戦いが始まったかのように勘違いをする(妄想する)人も少なからずいたようだ。だが、はやる気持ちは分かるが冷静になった方がいい。「ちゃんと彼女(YUIMETAL)が帰ってこられるような場所を作ってあげたい」(『PMC』vol.13)というSU-METALの発言を忘れてはならない。 フタを開けてみれば,1日目は元モーニング娘。のエース・鞘師里保,2日目はさくら学院の現生徒会長・藤平華乃がサポートダンサーを務めたことは周知の通り。去年のように世間的にはほぼ無名の「影の実力者」的なダンサーを迎え入れるのではなく,知名度のある人材を登用したことは快挙と言っていい。鞘師,藤平両名とBABYMETALとの関係性について詳しく説明すること