投稿

10月, 2020の投稿を表示しています

またしても名言ザクザク!「別冊カドカワ 総力特集 BABYMETAL」

イメージ
BABYMETALの結成10周年を記念して発売された『別冊カドカワ 総力特集 BABYMETAL』は,例によって名言のオンパレードだった。彼女たち自身が発する言葉に接する機会はめったにないので,4万字を超えると歌われている超ロングなインタビューは,ファンにとってはまさにバイブル。今回は気になった発言をいくつかピックアップしてみた。 まずはSU-METALから。 すごく印象に残っているのは,初日の大阪のライヴかな。初めての全曲生バンドっていうライヴで,その時に記憶が飛んだことを覚えてます。ライヴをしている自分とは別に頭の上辺りからライヴを楽しんでいる自分がいて,誰かにあやつられているかのように思い通りに出したい声が出て,気持ち良かったです。絶対成功するってどこかのタイミングでわかって,ただライヴを楽しんでいました。 2012年5月の「BABYMETAL DEATH MATCH TOUR 2012-五月革命-」についてのコメント。このエピソードは今までにも何回か語られてきたものだが,「五月革命」初日の大阪公演でのこととピンポイントで語られたのは今回が初めてではないかと思う。すでに8年も昔のライブになるが,それが今でも強烈に印象に残っていることに驚きを禁じえない。当時のSU-METALは中学3年生。この時はいわゆる「ゾーンに入った」のではないかと推測するが,その後似たような経験はなかったのかが気になるところ。 「メギツネ」は自分にとって未だに課題曲です。この曲は全ての基礎が入っていて,自分の苦手な音域,速いリズムと流れるメロディー,歌とダンスの呼吸を合わせたり…なのでこの曲を基礎練習として歌って今の自分の課題を見つけています。 素人ながらに難しい曲なんだろうなとは思っていたが,調子のバロメーターを計る正真正銘の課題曲であり,ライブ前のウォーミングアップでも歌う曲でもあることを初めて知った。この曲がリリースされたのは2013年。当時と今とではSU-METALの歌唱法はまるで異なるだろうが,それでも7年もの間(そしておそらくこれからも)課題曲であり続けるという点が興味深い。それだけ多くの要素が詰め込まれているからこそ,“メギツネ”はライブで欠かせない名曲でもあるのだろう。 バックヤードのケータリングの場所とかでかなり目立つんですよ,私たちって。メタルフェスで,小っちゃい女の子

BABYMETALの異色曲“BxMxC”のMVが何の前触れもなく突如公開

イメージ
BABYMETALの結成10周年にちなんだ「10月10日」を目前に控えた10月8日,“BxMxC”のMVが突然公開された。 ライブ映像ではないMVは久しぶり。BABYMETALのYouTubeチャンネルを覗いてみたところ,ライブ映像ではないMVは2018年10月19日に公開された“Starlight”以来なので,およそ2年ぶりのこと。やはりずいぶん久しぶりのことなのだ。2人が躍動するオリジナルの映像はやっぱり良い。ブルータルなサウンドも最高だ。 アルバムで異彩を放つこの曲は2020年1月の幕張公演2日目にライブとして世界初披露され,その超個性的かつ圧巻のパフォーマンスがオーディエンスの度肝を抜いた。アルバムで聴くのとライブで目の当たりにするのとでは,受け手が抱く印象がまるで異なるのだ。それ以来,この曲の評価はうなぎのぼりと言っていいだろうが,そのようなファンの声がこの曲のMV化を後押しした側面もあるように思う。コロナ禍にあって活動が制限されてしまうアーティスト側の事情とファンの求めるものが一致したのが,“BxMxC”の映像化という選択肢だったのだろう。 それにしても, 観れば観るほどSU-METALのカッコよさにほれぼれする。ラップバトルを繰り広げながらもメタル然としたアクションがクールだし,何より彼女の最大の魅力である「目」「眼差し」「視線」が強烈なオーラを放っている。振り付けが決まっていて何かと制約が多いライブとは違って、ある程度の自由あるいは自然さを感じさせる振り付けがなされている点もこのMVの魅力だと思う。 BABYMETALのステージはミュージカルのようだけど,このMVを観ていると中元すず香のなり「切りっぷり」に感服させられる。BABYMETALのSU-METALというキャラクターに完全に没入して,SU-METALを完璧に演じている。その様子はもはや演技には見えず,完全なる別人格が生み出されているかのよう。 対戦型格闘ゲームを思わせる演出や,古参のファンには懐かしい「天下一メタル武道会」という設定を持ち出す遊び心が,いかにもBABYMETALらしくて良い。おそらく特に深い意味はないのだろうが,過去の諸々がきちんと今につながっている感じがする。そのような物語性のようなものは,やっぱりBABYMETALの魅力なのだと思う。