投稿

7月, 2019の投稿を表示しています

ライブ・ビューイング観戦レポ/「BABYMETAL RISES - BEYOND THE MOON - LEGEND - M -」

イメージ
■ライブ・ビューイング 今回でLVは2回目だ。しかし前回は2016年4月のウェンブリー公演のLV。Zepp Divercity Tokyoで観たので,映画館でのLVは初体験。着席しての観戦はどんな感じなのだろう……とドキドキしながら観戦したのだが,結論から言うと自宅のリビングでBlu-ray作品でも観ているような感覚だった。もちろんリアルタイム中継されているというライブ感はあるし,何より映画館の大画面&大音響なので,自宅で観ているのとは迫力もケタ違い。しかし着席しているので身動きが取れず,身体全体でリズムを取ることもヘドバンすることもできない〈金縛り状態〉になってしまうのはストレス以外の何ものでもなく,その点では実際のライブ会場にいるのとは大違いだった。座ったままFOXサインを掲げるというのもなんだか気持ち悪くて……。同じLVでも,まだライブハウスでのLVの方がマシである。 とはいえ会場にいたのでは絶対に気づけないステージ上での様々な出来事や,パフォーマンスするSU-METALとMOAMETALの表情や仕草をつぶさに観ることができたのはLVならでは。特に今回は神バンドの面々が頻繁に大写しになったのも嬉しかった。けっこうアグレッシブかつアクションたっぷりにプレイしていて魂を感じた。 映画館でのLVを少しなめてたところがあるとすれば音響だ。ライブでいつも装着している耳栓はまさか必要ないだろうと思い持参しなかったのだが,実際にはさにあらず。全体の音量は爆音と言うほどではなかったものの,バランスが高音寄りだったのかSU-METALのハイトーンが時に音割れするほどだったのだ。耳が痛くなるシーンが多々あり,鑑賞後は翌日まで耳鳴りがやまなかった。低音はそれほどでもなかったので,シネプレックス幕張の音響は必ずしも良かったとは言えないのかもしれない。 ■ダンサー・藤平華乃 この日の〈アベンジャー〉,すなわちサポートダンサーは多くの人が予想したように藤平華乃だった。横浜公演に続く2回目だったので多少は余裕もあったのだろう,最初からエンジン全開で,常に笑顔で歌いながらダンス。汗だくになって必死に,ひたむきに踊る姿は,かつてのYUIMETALやMOAMETALを見ているようだった。ダンスのスキル云々ではなくて,「このステージに全てをかける」という全身全霊感。鞘師里保との比較で言

考察|BABYMETALの3人目問題/なぜ鞘師里保と藤平華乃の名は明かされたのか

イメージ
2018年の〈ダークサイド〉を経て本来の姿で再起動した感があるBABYMETAL。6月の横浜アリーナ2公演を皮切りに,イギリス,名古屋と続いた計6回の公演では,3人のサポートダンサーの存在が大いに注目された。まるで2019年になって初めて3人体制に戻ったかのような騒ぎになっているが,実はBABYMETALは2018年12月の時点ですでに3人体制に戻っている。オーストラリアの『GOOD THINGS FESTIVAL」出場時と,シンガポールでのJUDAS PRIESTのサポート公演がそれだ。 その時のサポートダンサーは平井沙耶だった。だがBABYMETAL本体はもちろん,実はどのメディアも「3人目」が平井沙耶だとは報じていない(そもそも,この時の4公演をレビューしている媒体がほぼ皆無)。各媒体に掲載された多数の写真やファンカム動画などから「平井沙耶」だと認定されたにすぎないというのが実態なのだ。 Photo: RNA Showgrounds Photo: W1snu.com その点,今回の「3人目問題」は明らかに状況が異なる。サポートダンサーが誰であるかをBABYMETAL自身が明確に説明していない点は昨年12月と同じ。しかしメディアは,横浜1日目とイギリスでは鞘師里保,横浜2日目では藤平華乃がサポートダンサーを務めたことを正式に報じたのだ。 Photo: エンタメステーション Photo: Glastonbury Festival Photo: Paul Grace Photography 2019年になり,BABYMETALがサポートダンサーの名前を事実上,公表した理由は何なのだろう。 そこには〈BABYMETALの物語性〉という要素が大きく影響していると私は考える。当人たちには申し訳ないが,平井沙耶よりも鞘師里保や藤平華乃の方が知名度が高い,というネームバリューの問題ではないと思う。 去年の12月に平井沙耶がサポートを務めておよそ1年ぶりに3人体制になった時,私は彼女がYUIMETALに代わる存在としてBABYMETALの正式メンバーになれるかどうかについて論じた(「 原点回帰の3人体制へ!シンガポール&オーストラリアでBABYMETALが示した決意 」)。その時に鍵になったのが,BABYMETALが有

ライブ参戦レポ/横浜アリーナ公演1日目「BABYMETAL AWAKENS - THE SUN ALSO RISES -」鞘師里保を従えて華麗に復活したBABYMETAL

イメージ
2019年6月28日(金),横浜の地でBABYMETALは高らかに復活を宣言した。今回のライブには〈The Sun Also Rises〉という副題が添えられているが,事態はまさにそのとおりの展開になったと言える。ギターの神の逝去とYUIMETALの脱退という危機に見舞われた2018年の活動は〈ダークサイド〉というコンセプトに基づき,メンバー構成はもちろん演出やセット・リストなどあらゆる面で制約が課せられた,いわば〈喪に服した〉1年だった。2019年になって時代が平成から令和へと移り変わる中,〈喪が明けた〉BABYMETALはついにかつての輝きを取り戻した。しかもそれは単純な復活劇ではなく,BABYMETALの代名詞である〈さらなる進化・成長〉を遂げた上での復活劇。そう,陽はまた昇ったのである。しかも,かつてよりも正々堂々と,高らかに,そして誇らしく。 ■サポートダンサー 横浜アリーナ公演最大のサプライズの一つが「3人目」のサポートダンサーの存在にあることは明らかだ。ライブ冒頭の紙芝居で3人のサポートダンサーが「アベンジャー」として選出され,どの公演で誰が選ばれるかはキツネ様が決めるということがアナウンスされたわけだが,まるでどこかのアイドルグループを想起させる選抜システムのような演出に,誰もが大興奮したであろうことは想像に難くない。正確には3人のアベンジャーの中から1人を正式メンバーとして迎え入れるというわけではなく,あくまでもサポートメンバーの1人を3人の中からローテーションでまわすだけ。しかし3人目の正式メンバーを決めるための戦いが始まったかのように勘違いをする(妄想する)人も少なからずいたようだ。だが、はやる気持ちは分かるが冷静になった方がいい。「ちゃんと彼女(YUIMETAL)が帰ってこられるような場所を作ってあげたい」(『PMC』vol.13)というSU-METALの発言を忘れてはならない。 フタを開けてみれば,1日目は元モーニング娘。のエース・鞘師里保,2日目はさくら学院の現生徒会長・藤平華乃がサポートダンサーを務めたことは周知の通り。去年のように世間的にはほぼ無名の「影の実力者」的なダンサーを迎え入れるのではなく,知名度のある人材を登用したことは快挙と言っていい。鞘師,藤平両名とBABYMETALとの関係性について詳しく説明すること