ライブ参戦レポ/【DAY 2】「悪魔が来たりてベビメタる」聖飢魔IIとBABYMETALが夢の共演

2025年8月31日(日)にKアリーナ横浜で行われた空前絶後のライブ「聖飢魔II vs BABYMETAL 悪魔が来たりてベビメタる」の「DAY2 衝撃 - Impact -」に参戦した。「DAY 1」では聖飢魔IIのパフォーマンスを初めて体験して,その面白さに感激。合間に流された「紙芝居」で聖飢魔IIとBABYMETALの「対決」が煽りに煽られたので,「DAY 2」への期待は否が応でも高まっていた。以下はそのレポートである。

猛暑だったのでみんな日陰へ避難

○到着〜グッズ購入

前日は出遅れて欲しかったTシャツなどを購入できなかったので,2日目はデジタル整理券配布時刻の11時に合わせて会場に到着。ところが先着順の整理券争奪戦は想像以上に激しく,11時を数分過ぎただけですでに①〜⑥枠が定員に達しており,ゲットできたのは15時〜15時20分の⑦枠。販売開始から3時間後の枠なので,前日の二の舞になりそうな気配が濃厚だった。

ところがラッキーなことに前倒しでの販売が開始となった。時刻は14時30分ごろだったと思う。どのような事情か知る由もないが,猛暑の中で待機することを避けた人が多かったのだろうか。売場に着いてみたら確かに人が少なかった。

何はともあれ,お目当てのTシャツとボディバッグを購入できてひと安心。あとは入場開始の15時30分になるのを待つばかり。しかしここでも幸運が。入場開始が早まったのである(たぶん15分くらい)。

エントランスを入るとこんな感じ

この日はGATE 510から場内へ

○入場〜開演

2日目の座席は前日と同じレベル5。510ゲートなのでやや上手寄りだが,これまた前日と同じ6列目。ステージ全体が見渡せる良席だった。Kアリーナは本当に座席の配置が素晴らしい。

場内に流れているBGMはBABYMETALのライブでのそれだった。ということは,この日はBABYMETALが「先攻」の線が濃厚だ。ステージ周囲の照明も前日のBABYMETAL登場前と同じ赤色だった(聖飢魔IIは青)。

17時5分ごろ,場内が暗転。ついに2日目の公演が始まった。「先攻」は予想通りBABYMETALである。

「先攻」はBABYMETAL

○先攻 BABYMETAL

BABYMETALはセットリストを微妙に変えてきた。1日目の“Sunset Kiss”,“イジメ,ダメ,ゼッタイ”をそれぞれ“Kon! Kon!”,“KARATE”に入れ替えた上で,ラストに“Road of Resistance”を追加。結果として前日の10曲から1曲増えて全11曲となった。

いつものように最初からフルスロットルで畳みかけてくるBABYMETALだが,3曲目からの“PA PA YA!!”→“メタり!!”→“Kon! Kon!”と続くシークエンスは和テイストあふれる圧巻の構成で,凄まじい扇動力だった。もちろんみんな大盛り上がり。ちなみに音圧は前日よりも気持ち抑えめな気がした。

最終盤では意外にも“KARATE”が披露され,イントロが流れると「おおっ!?」という大歓声が沸き起こった。久しぶりの“KARATE”はグルーヴ感と重量感が尋常ではなく,おそらくBABYMETAL史上最もヘヴィな“KARATE”だったのではないだろうか。最近のBABYMETALはライブでの音圧が明らかに増しているので,その影響も大きかったと思う。超重量級のサウンドと,宇宙を貫く一筋の光のごときSU-METALの伸びやかな歌声のコントラストが素晴らしい。

さらに,この曲の定番でもある「スマホライト点灯」の掛け合いも導入された(信者の中にはSU-METALの突然の指示に戸惑った人もいたかもしれないが)。横に広くすり鉢状にせり上がった客席の構造と相まって,無数のライトが揺れ動く様はとても幻想的で美しかった。

最後の”Road of Resistance”ではいつもならSU-METALがジェスチャーでWall Of Deathを促すのだが,Kアリーナはフロアもシート席なのでWODは実現不可能。そのためSU-METALの所作は胸の前で腕をグロスさせてキツネサインを掲げるというものに。いつにも増して意味ありげにゆっくりとした動作だったので,その完成形が「大人の事情」をしっかり考慮したものであったことに観客は大歓声。なかなか興味深いシーンであった。

○後攻 聖飢魔II

まず驚いたのがサウンドだ。1日目の参戦レポにも少し書いたが,前日は音圧が少し控えめでBABYMETALとの差が顕著だった。ところが2日目は明らかに音圧が上がっており,迫力が段違い。先に登場したBABYMETALと比べても,それほどの差はなかったように感じた。BABYMETALが相変わらず爆音だったので,聖飢魔IIの方がむしろバランスは良好だったと思う。

聖飢魔IIのセットリストは基本的に前日と同じだった(ただし最後に“EL DORADO”が追加され,この曲でBABYMETALと文字通りの共演を果たした。 詳しくは後述)。音の迫力が増したので曲の印象もガラリと変わった。どの曲もメタル感が倍増していて,メタラーとしては大満足。前日に心打たれた“JACK THE RIPPER”はやっぱりカッコよかったし,本編ラストの“FIRE AFTER FIRE”も派手さと凄みが数段増しになっていた。

デーモン閣下のトークも相変わらず切れ味が鋭くて面白かった。前日の様子やSNSで飛び交っているネタをリアルタイムでしっかりと押さえているので,聞いていて本当に楽しい。BABYMETALに関することも遠慮なく切り込んでいて,ともすれば腫れ物に触るような扱いになってしまうところを悪魔らしく大胆に切り込んでいた。

○夢の共演

上述の通り,聖飢魔IIは本編終了後に“EL DORADO”でBABYMETALと共演を果たした。紙芝居で聖飢魔IIとBABYMETALの「対決」の構造が崩れて「和解」あるいは「共闘」へと切り替わったことを受け,閣下がBABYMETALとの共演を宣言して実現した。

SU-METALはもちろんヴォーカルだ。曲のキーが合っていたのか,とても自然な感じでいつものSU-METALらしく力強くて伸びやかな歌声を響かせていた。BABYMETAL以外の曲を歌うSU-METALを拝める機会は滅多にないので,これは非常にレアで貴重な体験だった。それにしてもSU-METALにはドラマティックな曲がよく似合う。

MOAMETALとMOMOMETALはなんとギターを携えて登場。パッと見ではちゃんとコードを弾いていたので,演技ではなかったと思う。特にMOAMETALは右手の使い方が素人目にも上手だったので,ガチで引いていたと推測する。2人とも聖飢魔IIのジェイル大橋代官&ルーク篁参謀と積極的に絡んで楽しそうにパフォーマンスしていた姿が印象的だった。かつて2016年にイベントで東の神バンドを率いたBABYMETALがロブ・ハルフォードと共演したことを懐かしく思い出したりもした。

○儀式

驚天動地の共演が終わると,聖飢魔IIと BABYMETALがステージ上に勢揃いして,お互いのフラッグを交換するという儀式が執り行われた。

これが実に感動的というか,エモかった(と勝手に思ってる)。

聖飢魔IIもBABYMETALも「メタルじゃない」と否定された経験を持つ,ある意味での似たもの同士。その両者がお互いへの敬意を表しつつ,デーモン閣下が述べたように連立内閣を組んで共闘するわけではないが,心の奥底でメタルの魂を共振させながら,それぞれの道を歩んでいこうという決意を表明しているような光景だった。

これはあくまでも演出であると分かっていながら,一方で「メタルの魂の継承」が本当になされていたのではないかと思ってしまう自分がいた。それくらい,胸にグッと迫るものがある光景だった。

終演後の様子(フラッグに注目)



【セットリスト】
聖飢魔II vs BABYMETAL 「悪魔が来たりてベビメタる」  DAY2 衝撃 - Impact -
2025年8月31日(日)
Open 15:30
Start 17:00
Kアリーナ横浜

○ BABYMETAL
01 BABYMETAL DEATH
02 ヘドバンギャー!!
03 PA PA YA!!
04 メタり!!
05 Kon! Kon!
06 Song 3
07 RATATATA
08 ギミチョコ!!
09 from me to u
10 KARATE
11 Road of Resistance

○聖飢魔II
01 ミサ曲第II番「創世記」
02 1999 SECRET OBJECT
03 JACK THE RIPPER
04 老害ロック
05 アダムの林檎〜BABYMETAL IS DEAD〜アダムの林檎
06 Kiss U Dead or Alive
07 Next Is The Best!
08 蝋人形の館
09 FIRE AFTER FIRE
10 EL DORADO w/BABYMETAL

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