ライブ参戦レポ/BABYMETAL「LEGEND - METAL FORTH」最新アルバム完全再現+前例のない2部構成
BABYMETALが2026年1月10日と11日に,さいたまスーパーアリーナで単独ライブ「LEGEND - METAL FORTH」を開催した。以下はそのライブ参戦レポである。
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| Aゲート前のサイネージ |
詳しくはこのあと述べるが,今回のライブのポイントを要約する以下のようになる。あまりに濃密な1時間50分だった。
1.最新アルバム完全再現の第1部
2.初期2作のみから選曲した第2部
3.しかもレア曲のメドレーを披露
4.素晴らしいライティング
5.公演時間1時間50分は自己最長
◯グッズ購入
今回は整理券が配布され,指定された時間に売場に入場して購入できるというシステムが採用された。それでも時間が押しており,指定の時間から1時間以上過ぎてようやく売場入場列に並ぶことができた。
狙っていたのは限定CDとTシャツ。残念ながらCDは売り切れてしまい,購入できたのはTシャツ1点のみ。他にもいろいろと欲しいものはあったけど,節制を心がけて我慢した。
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| 右端に見える「子狐ぬいぐるみキーホルダー」が人気だった |
◯いざ入場
今回は1日目,2日目ともにmosh'sh seat(アリーナではなく客席)。1日目は200レベルの234扉15列目で,ステージを左後方から見るポジション。ステージまでの距離は思いのほか近く,なかなか見やすい席だった。
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| ステージを左後方から眺めるポジション |
2日目は同じく200レベルの239扉19列目。ステージ正面の上手寄りで,ステージまでの距離は1日目よりは少しあったように感じた。
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| ステージを上手前方から眺めるポジション |
結果として,初日・2日目と異なる視点でステージを見ることができて良かった。セットリストが同じでも,見る位置が違えば印象もガラリと変わる。しかも音響も1日目と2日目とでは違っており,2日目の方が明らかにサウンドがクリアかつラウドだったと思う(これが座席位置の違い故なのか,それとも単純にPAが修正した結果なのかは定かではないが)。
◯最新アルバム「METAL FORTH」の完全再現
BABYMETALのライブが「LEGEND」を冠する時,そのライブではふだんなら起こるはずのない,文字通り伝説級の“何か”が起こる。今回のライブは「LEGEND - METAL FORTH」であることから、今年8月にリリースされたアルバム「METAL FORTH」の楽曲が全曲披露されるのではないかという噂がSNS上を駆け巡っていた。2020年1月に幕張で行われたライブ「LEGEND - METAL GALAXY」では2日間かけて直近の最新アルバム「METAL GALAXY」の曲が全曲披露されたこともあり,この噂が現実化する可能性は高いと思っていた。
結果としてファンの期待は裏切られることはなく,BABYMETALはむしろその期待をはるかに上回るやり方で全曲再現を実現してしまったのだから,さすがはBABYMETALと言うより他ない。まさか1日で「METAL FORTH」の全10曲を演り切り,しかもその10曲を連続で一気に披露してしまうとは。何のためらいもない痛快なまでの潔さである。
たいていの場合,アルバム全曲再現というのはアルバムのリリース10周年とか20周年という,そのアルバムにとっての節目のタイミングで実現することが多い。ところがBABYMETALはリリース後わずか5ヶ月あまりという異例とも言える早さで全曲再現ライブを行なった。ほとんど前例のないやり方だと思うが,よく考えてみれば新譜のプロモーションとしてこれ以上効果的な方法はないとも言える。
「METAL FORTH」収録曲としては“Algorism”と”White Flame - 白炎 -"がライブ初披露となった。それらを含め,印象に残った曲のパフォーマンスについて感想を記しておく。
"from me to u"
音源で聴いたりMVを観たりした時よりもはるかにスケールが大きく感じられ,ビッグネームとしての存在感が際立つパフォーマンスだった。単純に曲のクオリティがめちゃくちゃ高い。
"RATATATA"
もうライブで何度も披露されていることもあり,盤石と言っていいパフォーマンスだった。オーディエンスを盛り上げる着火剤として完璧な役割を果たしたと思う。
"My Queen"
「METAL FORTH」の中でも大好きな曲の一つ。力強くエモーショナルに歌い上げるSU-METALの歌唱は「絶唱」に近く,SU-METALのヴォーカリストとしての凄みを存分に堪能できるパフォーマンスだった。
"Algorism"
ライブ初披露曲。"シンコペーション"の系統に属する,いわゆるジャパメタ風のノリが特徴の曲だが,どことなく昔のJ-POPとかアイドルっぽい雰囲気を感じさせる振り付けが実に良かった。
"メタリ!!"
2023年8月にリリースされた曲なので,もはやクラシックと言ってもいいくらい馴染んでいた。この日観客を最も盛り上げたのは,間違いなくこの曲。初めて見る人でもノリノリになって楽しめること間違いなし。何度体験しても日本人としての血が騒ぐ。
"White Flame - 白炎 -"
これもライブ初披露。BABYMETALの代名詞とも言える疾走感ある劇的メロディック・スピード・メタルだ。曲名にならって「白色」がテーマのライティングが秀逸で,ステージ上のみならず場内全体がまばゆいばかりの白い光に溢れ,視覚的にとてもドラマティックだった。音数の多いドラミングと相まって,会場内はもはや光と音の洪水。
中間パートではMOAMETALとMOMOMETALが戦うシーンもあり,“イジメ、ダメ、ゼッタイ”やかつての“紅月-アカツキ-”を彷彿とさせるエモい演出がこの曲のドラマ性をいっそう引き立てていたと思う。
ただし……この曲がライブで披露されることを多くのファンが待ち望んでいただろうし,個人的にも大好きな曲なので大いに期待していたのだが,「BABYMETALの楽曲はライブを重ねることで進化する」という“あるある”を実感したというのが正直な感想だ。
ライブ初披露ということもあり,観客はこの曲に対してどう反応していいのか分からず,ただひたすらに固唾を飲んでパフォーマンスを見守っているという感じだった。例えば“RATATATA”や“メタり!!”の時のような会場全体が一つになって大盛り上がりになることも当然なし。本来ならば"Road of Resistance"並にオーディエンスの大合唱が始まってもおかしくないパートも,そうはならかなかった。
とはいえ,何と言ってもライブ初披露なのだから仕方ない。何度かライブを重ねるうちにファンも学習して,いずれあの"Arkadia"のように壮大なカタストロフィーをもたらすライブ屈指の名曲になるはずだ。
なお,1日目はサウンドも良くなかったように思う。私の座席位置の関係かもしれないが,楽器隊の音を聞き分けにくく,SU-METALの声も埋もれがちだった。おまけにそのSU-METALは若干力んでいたようで,時おり声が上ずっていたように聞こえた。
一方2日目は,サウンドはクリアでSU-METALの歌声もはっきりと聞こえたのでひと安心。BABYMETALの「正統派」的側面を象徴するこの曲を,ライブ音源でぜひ聴きたい。
“ヘドバンギャー!!”
この曲では久しぶりに宗教儀式的な演出があって,シアトリカルなBABYMETALを久しぶりに堪能できた。王道路線だけではなく,演劇調(あるいはミュージカル調)のステージもBABYMETALの魅力の一つなのだ。
その“ヘドバンギャー!!”ではダンサー4人が登場。一段低くなったメインステージの外縁部分で踊っていたが,彼女たちの身のこなしが凄すぎた(ダンスの切れ味が鋭い)。2018年〈ダークサイド〉期のお姉さん方(サポートダンサーたち)を彷彿とさせたが,ずいぶん若い人のようにも見えた。何者だったのだろう……と思ったのが1日目終了後。2日目が終わった時点で判明したが,彼女たちはMIKIKO氏が率いるELEVENPLAYのメンバーだった。どうりで。
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| 写真=ELEVENPLAYのInstagramより |
◯まさかの2部構成,まさかのメドレー
最新作「METAL FORTH」が完全再現された前半が第1部。BABYMETALの15年の歩みを振り返る感動的な映像がインタールードとなり,後半戦再開。第2部はBABYMETAL結成15周年,「15 BABYMETAL YAERS」を祝う内容で,1stアルバム「BABYMETAL」と2ndアルバム「METAL RESISTANCE」の楽曲で構成されていた。まさかの2部構成である。
まず,その映像について簡単に触れておく。このムービーはファンにとっては感涙ものの内容だったに違いない。BABYMETALのこれまでの歴史を振り返る内容なのだが,YUIMETALの映像が流れると場内からは大歓声。ある意味でこの瞬間はこの日のハイライトだったかもしれない。客観的に見ても山あり谷ありの15年で,「道なき道」を良くぞ駆け抜けたと感服した。
そして,その第2部である。冒頭の“BABYMETAL DEATH”→“ド・キ・ド・キ☆モーニング”までは予想内のながれだったが,その後に再び“まさか”が発生。神バンドのソロ・タイムに続けて披露されたのは“Catch me if you can”だった。この曲がライブで披露されるのはいったい何年振りのことだろう。イントロに合わせて3人が登場した時の大歓声は尋常ではなかった。何よりも「西の神」による演奏でこの曲を聴けたことが望外の幸せ。ただでさえ凶悪な超重量級のサウンドがいっそう重たくなって,とんでもない迫力とグルーヴを醸成していたと思う。
さらに“まさか”は続く。CMIYCが終わると,間髪入れずに“あわだまフィーバー”が始まった。この曲もライブで見るのはかなり久しぶりだ。オーディエンスの反応は狂乱の域に達しつつあった。
そしてそして,“まさか”はまだ終わらない。“あわだまフィーバー”の途中で,曲はそのまま“Elevator Girl”にシフト。これもその前の2曲に負けず劣らず久しぶりの曲である。
結果として,私たちはBABYMETAL史上初となるメドレーを目撃することとなった。高度なダンスが組み込まれたBABYMETALの楽曲をメドレーにすることがどれほど大変なことであるかは,素人の私でも容易に想像がつく。ところがステージ上で披露された初のメドレーは,BABYMETAL基準を保ったハイレベルのパフォーマンスだった。SU-METAL,MOAMETAL,MOMOMETALの3人は相変わらずいとも簡単にこの難行をやってのけているように見えたが,その背後には膨大な鍛錬の積み重ねがあったであろうことをファンはよく知っている。
ちなみに,センター・ステージの醍醐味を存分に楽しめたのは初期曲で固めた第2部。曲ごとに(あるいは曲の途中で)頻繁に正面を変えてパフォーマンスしていたので,両サイドや後方の観客もこの時ばかりは「ほぼ正面」。コロナ禍に行われた日本武道館公演10daysを踏襲した演出だ。
○秀逸だったライティング(照明)
何から何まで素晴らしくてぶっ飛んだ内容のライブだったが,実はライティング(照明)が豪華でとても良かった。楽曲のテーマや展開をしっかり踏まえた上でとても効果的な見せ方になるようにデザインされていて,センスの良さが強く感じられる演出だったと思う。照明が切り替わって印象的な光景になるたびに,思わずといった感じで「おぉ〜」という歓声がわき起こるシーンが何度もあったくらい。BABYMETALがSNSにアップしている写真を見れば,その美しさがよく分かるだろう。
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| 写真=BABYMETALの公式Instagramより |
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○110分という公演時間が意味すること
何度も言うが,1時間50分という公演時間はBABYMETAL史上最長である。構成に工夫を凝らして2部制っぽくすれば2時間近くパフォームすることができたということは,BABYMETALがいよいよ本気で海外の大型フェスのヘッドライナーを目指す覚悟を固めたということだと思う。
大型フェスでメインス・テージのヘッドライナーを務めるともなれば,持ち時間は2時間近くに及ぶ。今までのBABYMETALのライブは長くても90分程度の構成であることがほとんどだったので,それではヘッドライナーは務まらない。その1つて前あたりが妥当なところだし,実際去年までのフェスでの立ち位置はそのようなものであった。
MCがいっさいなく,最初から最後までほとんど休む間もなく歌って踊り続けなければならないという独特のスタイルゆえの限界――長時間演じたいが,変化に乏しく体力的にも厳しい――というのが,長丁場のライブを実現するうえでのBABYMETALが抱えるジレンマであった。
今回の「LEGEND - METAL FORTH」で,その課題は一旦クリアしたように思う。もちろん,このように手が込んだライブを海外のフェスで何回も実現することには大きな困難とリスクがあるだろう。しかし,15年にわたり「道なき道」を歩み続け,前例のないことを何度もひっくり返してきた彼女たちならば,「大型フェスのメインステージにヘッドライナーとして立つ」日を自らの手で力強くつかみ取るに違いない。
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| 今回買ったのはこのTシャツのみ |
BABYMETAL WORLD TOUR 2025-2026
SPECIAL ARENA SHOW IN JAPAN
LEGEND - METAL FORTH
■日時
2026年1月10日(土) 16:00開場,17:30開演
2026年1月11日(日) 14:00開場,15:30開演
■開場
さいたまスーパーアリーナ
■セット・リスト
01 from me to u
02 RATATATA
03 Song 3
04 Kon! Kon!
05 KxWxAxIxI
06 Sunset Kiss
07 My Queen
08 Algorism
09 メタリ!!
10 White Flame - 白炎 -
~15 BABYMETAL YEARS~
11 BABAYMETAL DEATH
12 ド・キ・ド・キ☆モーニング
13 メギツネ
14 Catch me if you can 〜 あわだまフィーバー 〜 Elevator Girl
15 KARATE
16 ギミチョコ!!
17 ヘドバンギャー!!
18 Road of Resistance
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| BABYMETAL公式Xより |










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