全文意訳/2019年10月発売の「METAL HAMMER 327」BABYMETALインタビュー

2020年2月7日 Text by たろ a.k.a. TAROO-METAL

今さら感が半端ないが,以下は2019年10月発売の『METAL HAMMER 327』に掲載されたBABYMETALのインタビュー記事を全文意訳したものである。読んだついでに訳したわけだが,よく分からない部分はカットしたり雰囲気で訳したりした。素人ゆえ誤りも多々あるだろうが,そこは大目に見ていただければ幸いである。

METAL HAMMER 327

スタイリストの手によってケープを優雅に身にみにまとって,SU-METALとMOAMETALが並んで立っている。どこかの惑星の女王のように,彼女たちは威厳に満ちているように見える。暑い7月のある日の午後、私たちはBABYMETALのバック・ステージの様子を撮影した。場所はロンドンのBrixton Academy。このあと彼女たちがライブを行う会場である。

ソロ活動に専念するためBABYMETALを脱退するとYUIMETALが告げてから8カ月が経つが、BABYMETALをデュオとみなすことにはまだ違和感を感じる。マネージメントは2人が一緒に写真に収まっているかどうか、彼女たちがスーパーヒーローやおもちゃのような存在ではなく、エレガントな存在に見えるかどうかを確認することに骨を折っている。カワイイ・メタルの開拓者である二人にとって、これが新たな夜明けであることは明らかだ。

超多忙なスケジュールであるにもかかわらず、彼女たちが落ち着き払っているのは驚きだ。3日前、彼女たちは2019年最初のライブを終えた。「BABYMETAL Awakens - The Sun Also Rises -」と名付けられた、キャパ17,000人の横浜アリーナ2デイズ。両日ともサポート・ダンサーを起用していた。それから彼女たちは、好奇心旺盛なグラストンベリーの聴衆を楽しませるためにイングランド直行の飛行機に飛び乗り、Bring Me The Horizonの前でプレイし、アメリカのポップ・アイドル、ビリー・アイリッシュと一緒にセルフィーに収まった。

「日本でのライブ当日の夜に飛行機に乗らなければならなかったんです。グラストンベリーにはフェスの当日に着いたので,すべてがぼんやりした感じでした」とMOAMETALは告白する。「まだ夢みたいな感じです。グラストンベリーに出る他のアーティストと比べると,BABYMETALはヘヴィーなバンドなんです。ポップな音楽に慣れた人たちにとって新しいスタイルでライブをするような感じだったんですけど,そんな人たちの目の前でライブをしたことは今までなかったので,すべてが新鮮でした」

彼女たちは馴染みのチームとともに,今夜ここブリクストンに戻ってくる。新しいFOX GODのTシャツに身を包んで集まったファンたちも一緒だ。彼女たちが闇に覆われたステージに姿を現すと,ファンは拳を突き上げ,チャントが沸き起こった。そして始まったのは,お馴染みの“メギツネ”だ。今夜のサポート・ダンサーRIHOMETALは,まるで演劇学校のプロ講師のようにタイミングを合わせてハイキックを繰り出し,キツネ耳のポーズをとる。次に続いたのは元気いっぱいの“Elevator Girl“と,ボリウッド風味が混ざった“Shanti Shanti Shanti”だ。“Starlight”と“シンコペーション”が日本国外で初披露され,“PA PA YA!!”がフレッシュ・ジュースを絞るかのごとく炸裂した。オーディエンスは大満足したと言って差し支えないだろう。

後に私たちはSU-METALとMOAMETALを賞賛した。ライブに長時間費やしたにもかかわらず,彼女たちは元気いっぱいだったからだ。以前私たちが指摘したように,彼女たちのプロ意識は無敵だ。

SU-METALはこのように説明する。「とても小さい時から,歌うことだけが大好きだったんです。それが一番大きなモチベーションになってますね。ライブをする時はいつも,自分が一番好きなことができるということに対して感謝しています。同じ曲でもファンによって反応が違うんです。そういう違いがライブをする時の楽しみになってますね」

2日後,彼女たちはMOAMETALの誕生日に日本へと舞い戻る予定だ。2015年に『METAL HAMMER』がBABYMETALを初めて表紙に起用した時,MOAMETALはまだ16歳でSU-METALは17歳だった。様々なことが形作られたこの数年間に,多くのことが変化した。リハーサルの合間を縫って宿題に追われることは,もはやない。海外で数多くのショウを経験したことで,今夜のステージ上での表情は,今までよりも自信に満ちあふれていた。由結が去り,彼女たちはBABYMETALとして新時代へと歩を進めつつある。3枚目となるアルバム「METAL GALAXY」を引っさげて,彼女たちは再び世界を駆け回ることになるだろう。しかし彼女たちはこの勇敢な新世界を生き抜くことができるだろうか。そしてこのアルバムこそが,彼女たちを本当の高みへといざなってくれるのだろうか。

2カ月後,私たちはSkypeで彼女たちに取材した。BABYMETALに関しては,今や私たちは正しい手順を知っている。日本のアイドル・グループの例に従えば,KOBAMETALは彼女たちのマネージャーで(SU-METALとMOAMETALは彼のクリエイティブなビジョンに気づいているが),神バンドと作曲者の素性は伏せられたまま。彼女たちのマネージメント会社であるアミューズは,インタビューに先立って質問事項をチェックする。これは普通のやり方ではない。

ファンシーな衣装ではなくスポーティーなTシャツを着た2人が会議室でノートPCの前に着席していた。その隣には通訳が控えている。私たちとしてはおしゃべりができて嬉しいのだが,私たちが質問をするたびに,彼女たちは紙に書かれた回答を読み上げた。スクリプトにない質問をしようものなら,2人は不安そうになって混乱するか,その質問をKOBAMETALに対してするように告げてくる。なんとも奇妙でシュールなやり取りではある。

とはいえ2人は楽しんでいたようで,たくさん笑っていた。ツアー中で最も大変なことは? という(予定にはなかった)質問をすると,MOAMETALはポーカーフェイスで「スーツケースに荷物を詰めると,ツアーの最後の頃にはパンパンになって荷物が入らなくなること。たくさんの物がたまってきちゃって,ツアー中の一番大変な時にすべての物を入れ直そうとするんです」と発言。SU-METALはクスクスと笑い出した。

私たちはYUIMETALについて少しだけ話した。去年の5月にBABYMETALが2018年のツアーを始めた時,YUIMETALは姿を消した。そして10月,彼女はBABYMETALから脱退するとのコメントを発表。病気から回復するためということと,将来ソロ活動を目指すということが,その理由だった。「何度も何度も考えたのですが,BABYMETALから脱退することを決心しました。ステージにもう一度立ちたいという強い思いもあるのですが,今はまだ体調が完全には回復していないと感じますし,水野由結として自分の夢に向かって前に進んでいきたいのです」 それ以来,私たちは彼女の声を聞いていない。SU-METALとMOAMETALはこの話題について多くを聞かれたくはなさそうな感じだったが,連絡は取り続けているとは言っている。

「長い間一緒だったので,YUIMETALはBABYMETALにとって家族の一員のようなものなんです。彼女はいなくなりましたが,彼女のことは応援し続けるつもりですし,彼女が将来やりたいと思っていることが実現できるように願っています」とSU-METAL。

BABYMETALの未来は「METAL GALAXY」にある。このアルバムは、2014年の「BABYMETAL」と2016年の「METAL RESISTANCE」のテンポの良さを踏襲し、世界中の異なる音楽を融合しているので、非常に革新的だ。“Elevator Girl”の気難しいジャズはインド音楽っぽい“Shanti Shanti Shanti”へと続き、Sabatonのヨアキム・ボールデンが唸り声を上げる“Oh! MAJINAI”へと突入する。アリッサ・ホワイト=グラズやタイのラッパーF.ヒーローといった有名なゲストも含まれている。

これはBABYMETALのやり方と一致している。何か衝撃的なものを生み出すために、普通ならうまくいかないものを一緒に組み合わせてしまうのだ。それがKOBAMETALがBABYMETALを結成した理由だ。

KOBAMETALも通訳を介して私たちにこう説明する。「BABYMETALを始める前、僕はメタル・ファンで、何かチャレンジをしたかったんです。BABYMETALという名前は、新しいタイプのメタルを創造したいという思いに由来します。自分が聴いて育ったメタルには敬意を払いたかったのですが、新しい革新的なメタルを創造したかった。それがずっとテーマだったんです」

BABYMETALを通じて新しい世界を訪れることができたと彼は説明する。日本、アメリカ、イギリスは依然として大きなマーケットだが、彼女たちはドイツ、シンガポール、オランダ、フランス、オーストラリア、オーストリア、台湾、スイス、カナダ、メキシコ、韓国、イタリア、インドネシアにも降り立った。旅をすることでKOBAMETALは多様な音楽を聴くことができ、その広がりをBABYMETALに取り入れようと考えた。多様な文化的輝きを伴う「METAL GALAXY」は、そのようなアイデアを探求するための、一つの思いつきなのだ。

「それが『METAL GALAXY』のメイン・コンセプトでした。メタルには,同じジャンルの中でも異なるサウンドがあるんです。国が違えばメタルの表現方法も異なります。ラテン・ミュージックのようなメタルではないジャンルの音楽も同様です。僕はあらゆる種類のサウンドを,夜空に煌く星のように眺めたんです。BABYMETALはメタルの宇宙を旅する宇宙船のようなもので,いろいろな種類のサウンドを探求しているんです」

KOBAMETALはメタルの遺産や展望についてはよく分かっているし,私たちがしばしば一般的な意味でのワールド・ミュージックと同じ意味で「グローバル・メタル」――ヨーロッパと北米以外の音楽――と呼ぶものについても知っている。アメリカにおいて,BABYMETALは昨年はインドのプログレッシヴ・メタル・バンドSKYHARBORをサポートに従え,今年はモンゴルのThe HUを迎える予定だ。KOBAMETALは両者を同じシーンの一部と見なしており,その音楽をファンと共有することが嬉しいのだ。

「そうなんです。自分がそのコミュニティの一部であると強く感じます。メタルには,ポップ・ミュージックに比べてとてもユニークな面がありますね。国が違えばその土地固有のサウンドがあって,それらが混じり合った中にメタルっぽさがあったりするんです。そのような点から新しい音楽を探求するだけでなく,ファンをインスパイアして違う音楽にも耳を傾けてもらえるようにしたいですね」

「METAL GALAXY」の曲作りに着手するにあたり、KOBAMETALはすべての作曲者たちを部屋に集めて、どんな音楽を追求したいかを話し合った(「だから3年半もかかったんです!」と彼はジョークを飛した)。彼らはキューバのリズム、南米の民族音楽、スカンジナビア半島のMETALを採り入れた。ラテンの影響が色濃い“Night Night Burn!”は“メギツネ”と同じ頃、つまり6年ほど前に作られ始めた曲だが、その他の曲は新作だ。KOBAMETALは、光の三部作(トリロジー)」としてアルバムを締めくくる“Starlight”、“Shine”、“Arkadia”について、次のように語っている。

「僕にとって光は二面性の片方の側面を表しています。BABYMETALのテーマ・カラーは赤と黒、光と闇なんです。両方とも必要で、私たちは光だけで生きることはできません。常に闇が存在しているんです。そのことを抽象的なやり方で描きたかった。いろいろな人たちが、自分たちのやり方で音楽を体験する。そのことを、3rdアルバムの曲で表現したかったんです」

“Starlight”を聴いた時、生き生きとしたイメージを得たとSU-METALは言う。「この曲を歌うといつも、ニュージーランドに行った時のことを思い出すんです。満天の星空と星明かりでした。小さな光がとてもたくさんあって、絶対に忘れられません」

「グローバル・メタル」というのは炎上しそうな単語だ。その手のバンドは何となくのけものにされ、他のジャンルよりも悪くて劣っているという印象を与える。ある日本のバンド――地政学的にはそのカテゴリーに属するが、商業的にも物流上もそうではないバンド――についてそのことを議論することは、もっと奇妙ですらある。BABYMETALにはThe HUのようなバンドに日の目を見るチャンスを与える影響力があるが、スウェーデンのヨアキムを嬉々としてアルバムに登場させたりもする。

だが世界がより強固なつながりを持つようになると、「グローバル・メタル」バンドの数は増えるかもしれない。KOBAMETALは時流に乗ることを否定し、自分がメタルだけを――なかでもそれをオリジナルの光り輝く形に変えることができるバンドを、どれだけ愛しているかを指摘する。

「僕はトレンドについて意識的に考えたことはありませんが、BABYMETALに関しては、普通とは違うBring Me The Horizonのようなロックの感覚を探求する多くの機会を得てきました。それにしても彼らのアルバムは素晴らしいですね! ですから、外側から見るとトレンドやムーブメントがあるように見えますが、BABYMETALとしては、私たちはそのようなトレンドには乗ろうとはしません。それは自然発生的に起こるものだからです。グラストンベリーのステージでBring Me The Horizonがダンサーを登場させたのは興味深かったですね。実際、彼らはBABYMETALのことを意識していたんだと思います」 KOBAMETALはそう言って満足げな笑みを浮かべた。

このインタビューの数日後,日本で行われる「SUMMER SONIC FESTIVAL」の2ndステージでヘッドライナーを務めるBABYMETALの一つ前に,Bring Me The Horizonが登場する予定だ。「俺たちは会場を温めるためだけにここにいる。俺たちはFox Godのためだけにここにいるんだ!」とオリー・サイクスは言うだろう。

BABYMETALは長きにわたりメタルとポップ・カルチャーに敬意を表してきたが、「METAL GALAXY」のオープニング・トラックの“FUTURE METAL”はとても奇妙で、しかも素晴らしい。ロボットのような音声で「This ain’t heavy metal, welcome to the world of BABYMETAL」という台詞があり、エレクトロな音の嵐が続く。これは明らかに、BMTHが今年リリースしたアルバム「Amo」に収録されている“Heavy Metal”のひねりだ。

「もしかしたらそうかもね」とオリー。「でも俺が本当に最も価値があると思うのは、何世代にもわたってメタル・ミュージックを存続させてきたメタル・マスターたち、様々な有名なバンドたちだと思うんだ。BABYMETALやBring Me The Horizonのような新しい世代のバンドがメタル・スピリットを受け継いで、その伝統を守ろうとすることが大切。それと同時に、メタル・ミュージックの進化はとても興味深いし、そうやって俺はメタルに進化を生み出したい。シェフィールドはたぶんメタル銀河に輝く星の一つなんじゃないかな」

由結の脱退はBABYMETALを動体着陸させたかもしれないが、SU-METALとMOAMETALは、〈宇宙船〉の中で「METAL GALAXY」についてお喋りして満足しているようだ。KOBAMETAL船長は彼女たちが仲間を失ったことを気にかけていたが、彼には彼女たちが長期間その中に居続けるだろうという確信があった。

「そうですね。僕はたしかに彼女たちのことが心配でした。でも同時に、僕は彼女たちをリスペクトしてもいたんです。二人はもう大人ですし、二人ともBABYMETALを続けたがっていました。そのことが僕はとても嬉しかったですね」とKOBAMETALは説明する。「このグループにはある種の信頼があるんです。たしかに僕は心配しましたけど、彼女たちは続けたがっているんだと信じていました」

およそ10年前にBABYMETALのメンバーをオーディションしたことをKOBAMETALは覚えている。その時、三人は歌うこととモデルをすることに夢中だった。KOBAMETALは即座にSU-METAL、MOAMETAL、YUIMETALの組み合わせで行こうと決めた。

「SU-METALが歌うのを初めて聴いた時、彼女のように歌うシンガーはなかなかいないと直感的に思いました」とKOBAMETALはふり返る。「メタル・バンドには普通ダンスという要素はありません。だから僕は、メタルの新しい未来のために、メタルにダンスを加えたら面白いんじゃないかと考えたんです。そこで、双子ような感じの振り付けにするためにYUIMETALとMOAMETALを選びました」

9カ月以上にわたり,彼女たちの全員が新しい力学に慣れる必要があった。去年の「Download Festival」ではステージ上には4人のメンバーがいて,激しいジャンプやスピン,手の動きは新たな次元に達していた。この年,彼女たちはトライアングルのフォーメーションに戻っていたが,空きのポジションには訓練された3人の中から1人がローテーションで選ばれた。グラストンベリーの直前に横浜で行われたショウで,BABYMETALはこのコンセプトを巨大スクリーン上のメッセージを介して〈アベンジャーズ〉と紹介した。

KOBAMETALは次のように説明する。「それはメタルレジスタンスのエピソード8で,新しいBABYMETALの始まりなんです。SU-METALとMOAMETALを頂点にして,彼女たちをサポートするアベンジャーズがFox Godによって召喚されるダンサーの中から選ばれる。それがショウのメイン・テーマなんです。誰が選ばれるのかはキツネ様のみぞが知る,ですが……」 奇しくも,BABYMETALが3人目の正式メンバーを迎え入れるかどうかもまた,キツネ様の思し召し次第のようだ。

BABYMETALが今まで訪れたことがある新しい国の一つはメキシコだ。そこでルチャ・リブレを観たことをKOBAMETALは熱く語る。ルチャ・リブレをBABYMETALに取り入れるつもりがあるかどうかを訊ねると,プロレスはずっとわざとらしいものだったと彼は説明する。それは明らかなのだ。

「もう含まれているんです。プロレス的なものは筋書きに反映されています。選ばれしダンサーたちが現れるという筋書きはドラマティックですし,過去には〈ダークサイド〉をテーマにした時に〈the Chosen Seven〉をやったこともありますし」

そう,〈the Chosen Seven〉。映像の中とステージ上で示された,エピソード7の困惑させるコンセプト。ビジュアルとグッズ,そして市場のはざまで,バンドに注がれるクリエイティブな計画は巨大なものであった。去年のコミックのプロジェクト「Apocrypha: The Legend Of BABYMETAL」について,KOBAMETALは詳しく語っている。作品は他にも派生していくのだろうか? 彼の答えは「おそらくアパレル関係で」というものだ。思うにプレミアムなアスレジャーブランドであるBMD Fox Apparelへの展開を指しているのだろう。その点についてもっと教えてくれないだろうか? 「近い将来に明かしたいと思います」とKOBAMETAL。

この一定のレベルの秘密厳守はBABYMETALを取り巻く空気をミステリアスなものにする。それゆえ,ファンはあれこれと考えたり,BABYMETALに対して自分勝手に妄想したりすることができるのだ。SU-METALとMOAMETALが自分たちのバック・グラウンドや私生活について二度と語ることはできないのかとKOBAMETALに質問をぶつけると,KOBAMETALは自身の戦術を守るためにメタルの法令集を再び引用する。「Ghostというバンドと同じです。バンドのコンセプトに沿った筋書きが最初から最後まであるんです」というのが彼の返答だ。

しかしGhostの首謀者ではトビアス・フォージは数年前,キャラ設定を崩した。そのようなことがBABYMETALにも起こるのだろうか?「Only the Fox God knows...」

「METAL GALAXY」によってBABYMETALは確実に前進するだろう。イギリスに降り立つと「Sonisphere」のメイン・ステージに一直線で上り詰め,「Download」やウェンブリーに足跡を残した。そしてついに彼女たちは初のUKツアーに乗り出す。4日間という日程だが,それ以上にいろいろな土地に赤と黒の旗を突き立てたいとKOBAMETALは考えている。BABYMETAL 2.0の出撃準備は整ったというのが彼の信念だ。

「彼女たちは本当にたくましくなってきていますし,約10年間の活動で様々なステージを経験してきました。そのことが精神的にも肉体的にも彼女たちが強くなった要因です。彼女たちはBABYMETALに心の中から共感してきたんだと思います。そして今では自ら進んで道を歩むようになり,BABYMETALの将来について話し合ったり,来たるべきツアーのビジョンを描いたりしています」とKOBAMETAL。

BABYMETALも彼女たちが変わったように感じている。「たぶん身長と見た目が変わったと思います。まわりの人たちは成長したと言うかもしれないですね。自分ではここ数年で精神面や考え方が変わったと思います」とMOAMETAL。「一つひとつのライブでベストを尽くしたいですね。そして自分が今こうしていられるのはとても幸運なんだということや,まわりにいて私を支えてくださる人たちに対する感謝の気持を絶対に忘れたくないんです」

野望についても訊いてみた。グラミー賞を受賞したい? 彼女たちは笑い飛ばす。「今そう訊かれるまで,グラミー賞のことなんか全然考えたこともなかったです」とSU-METAL。「でもそれは間違いなく夢ではあります。いつか実現できたら素晴らしいですね」

他にどんな夢があるだろう? SU-METALの答えはこうだ。「メタル・ミュージックの未来になりたいです」

彼女は手元に用意されたペーパーを読まなかった。だから私たちは彼女の発言を信じつつある。宇宙服をひっつかみ,酸素ボンベとフリーズ・ドライのパパイヤを手にして,私たちは共に乗船する。





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