全文意訳/「ROCK SOUND」2019年11月号のBABYMETALインタビュー

2020年2月12日 Text by たろ a.k.a. TAROO-METAL

昨年10月に発売された『ROCK SOUND - ISSUE 258』(2019年11月号)で特集されたBABYMETALのインタビューを,例によって意訳してみた。いつものように「だいたいこんな感じかな」とう程度の日本語訳なので,誤りに気づいても大目に見ていただければ幸いである。



モダン・ヘヴィ・ミュージックのアイコンとして確固たる地位を確立し,世界的なフォロワーはライバルにはなり得ない。この日本のグループはメタルの偉大さを勝ち取り,足を踏み入れれば紋切り型の知ったかぶりは何であれ切り裂く。巨大な会場を満員にすることからフェスの常連になることまで,それは本当に驚くべきことなのだ。旅の最後の一歩は「METAL GALAXY」。多様性と冒険心に満ちた3作目のアルバムは,2018年末のYUIMETAL脱退後,再編成されたBABYMETALとして初めてリリースされる作品だ。現在,中心メンバーであるSU-METALとMOAMETAL,そして神バンドは,ライブの時にはローテーション制のゲスト・ヴォーカリスト(アヴェンジャーズ)によってサポートされている。

過渡期に生まれたものではあるが,この新しいレコードは私たちの予想以上に細部に至るまで驚異的で色彩豊か。地球上のあらゆる土地から新しいサウンドとスタイルを取り入れている。Sabatonのヨアキム・ブローデン,タイのラッパーF・ヒーロー,Arch Enemyのアリッサ・ホワイト=グルツと幅広いゲストを招いている点も特徴だ。

「METAL GALAXY」は世界中で絶賛発売中で,これから大忙しの1年がやって来る。チャレンジしたことややりたいこと,そして将来について語ってもらうため,私たちはバンドに取材を試みた。

――YUIMETALが脱退した時、BABYMETALの将来についてどのような不安がありましたか?

SU-METAL: 簡単なことではなかったんですけど、私たちのパフォーマンスをサポートしてくれるアベンジャーズがいたのでとてもワクワクしていました。

――新しいラインナップに慣れることは大変でしたか? ライブのたびに違うメンバーと演じましたよね? ある意味、新しいチャレンジをすることは楽しかったですか?

MOAMETAL: 慣れなくちゃいけないことがたくさんあったので、どう考えても大変でしたね。でも同時に、そのことを楽しみました。困難があっても、それは取り組むべき課題を与えてくれるということなので。グループとして進化して成長するために、私たちはいつもベストを尽くしているんです。

――「METAL GALAXY」でどのアーティストとコラボするかは、どのようにして決めたんですか?

SU-METAL: コラボした曲はほとんど完成していたんです。でもパズルの最後の1ピースが必要でした。ゲスト・ミュージシャンの特別な音楽を加えることで、そのパズルを完成させることができました。どの曲もパワフルでユニークになったので、とても嬉しいです。

――コラボしたミュージシャンとはどこで初めて会いましたか? 彼らの音楽を初めて聴いたのはいつですか?

MOAMETAL: Sabatonさんは2018年の秋にあった「Dark Night Carnival」のスペシャル・ゲストだったんです。そこでヨアキムさんに会いました。

――ゲスト・ミュージシャンとのコラボを振り返ってみて、最も思い出に残っている瞬間は?

SU-METAL: ヨアキムさんが日本語で歌ったことですね。この曲のためにたくさん練習したんだろうなって思います。

――初めてのグラストンベリーはどうでしたか? 伝統的にメタル・バンドはそれほど多く出てこないフェスですが。

SU-METAL: 私たちのことを知らない人たちの前でライブをするのは久しぶりだったので、私たちのようなタイプの音楽をどう受け止めてくれるのか不安でしたね。でもライブが始まると、私たちのパフォーマンスをたくさんの人たちが楽しんでくれている姿が見れたので、安心しました。

――単独ライブと比べると、フェスは違いますか? その違いを楽しんでいますか?

MOAMETAL: 単独ライブだと、ファンは私たちだけを応援しに来てくれます。でもフェスだと、私たちのことを知らない人たちがたくさんいます。だからホームという感じはしないんですけど、私たちにとっては良いチャレンジですし、慣れていない状況にいることにワクワクしますね。私たちは1回1回のライブでベストを尽くしたいといつも思っているので、すべてを出し切るという意味では単独ライブもフェスも変わりません。

――メタルやBABYMETAL好き以外の、新規層を開拓することは重要ですか?

MOAMETAL: もともとBABYMETALには、メタルやポップス、その他いろいろな側面があります。だから、BABYMETALにはいろいろな魅力があると思うんです。それはとてもはっきりしています。ライブ会場にいるのは、子どもと大人、メタラー、男の人に女の人……老若男女さまざまですね。

――「METAL GALAXY」の楽曲で最も探求したいことは何ですか?

SU-METAL: メタルの未来を広げたいですね。

――あなたたちにとって「METAL GALAXY」のコンセプトは何を表しますか?

MOAMETAL: 音楽的には、このアルバムはメタルだけではなくて様々なジャンルの音楽でできています。曲は星で、BABYMETALはメタルの銀河を旅しているんです。BABYMETALは〈メタル銀河〉を旅する宇宙船みたいなものなんです。

――「METAL GALAXY」の何曲かは、世界中の様々な音楽とジャンルを探求しています(“Shanti Shanti Shanti”や“Night Night Burn!”のように)。そのような特別な音楽に惹かれる理由は何ですか?

SU-METAL: BABYMETALは何年も世界中をツアーしてきました。ワールド・ツアーを通じて、私たちは異なる文化やその土地固有の音楽に触れてきました。ニュー・アルバムでは、その経験がBABYMETALの音楽と結びついています。このアルバムでは、BABYMETALはいろいろな新しい音楽に幅広く挑戦しているんです。

――同じことを繰り返すのではなく、BABYMETALが音楽的に進化し続けるために重要なことは何ですか?

MOAMETAL: BABYMETALという名前は〈新しいメタルの誕生〉を意味するので、私たちは既に存在しているものではない、新しい音楽を創り続けるんです。その使命を果たすことが私たちにとっては重要で、BABYMETALという名前の意味は大切にしています。私たちは進化し続けるつもりですし、メタルの未来に貢献できるようなバンドになりたいですね。

――「METAL GALAXY」の製作過程で楽しかったことは?

MOAMETAL: 自分自身に挑戦して、新しいBABYMETALの音楽を創造したことです。

――“Elevator Girl”が目立ってますね。アルバム収録曲の中では初期のシングルです。

SU-METAL: このアルバムを完成させるのに3年半かかりました。アルバムに収録される“Distortion”、“Starlight”、“Elevator Girl”、“PA PA YA!!”は、すでにシングルとしてリリースされています。“Elevator Girl”には英語バージョンと日本語バージョンがあるので、好きなように楽しんでもらいたいですね。

――「METAL GALAXY」で最も好きな歌詞は何ですか? 最も意味のある歌詞でもかまいません。

MOAMETAL: このアルバムは本当にバラエティに富んでいるので、一人ひとりに自分なりのお気に入りを見つけてほしいですね。

――ライブで披露するのが楽しみな曲は何ですか? 理由も教えてください。

SU-METAL: “Night Night Burn!”です。ラテン音楽を取り入れているんですけど、今までの私たちの曲にはなかったタイプの曲なんです。どんな振り付けになるのか楽しみですね!

――このアルバムでのお気に入りの曲とその理由を教えてください。

SU-METAL: “Oh! MAJINAI”です。この曲を初めて聴いた時から、メロディが頭から離れないんです。メロディが刺さると思うので、できるだけ早く皆さんにも聴いてほしいです!

MOAMETAL: “PA PA YA!!”が大好きです。理由は、ファンの方々と一緒に盛り上がれる楽しい曲だから。ライブでは、たくさんの人たちがタオルを振り回すところを見たいですね。私たちと一緒に楽しんでほしいので、MVをチェックして練習してください!

――これまでのところ、USツアーはどんな感じですか? オーディエンスの反応は違いますか?

SU-METAL: 3年前にライブをした時と同じ会場でライブをしたんですけど、当時は観客の方たちは私たちが誰だか本当に分からなかったんじゃないかという気がしました。でも今回は、ファンの人たちはBABYMETALとしての私たちに会うためだけに来てくれたと感じたので、とても嬉しかったです。

――BABYMETALの新章に望むこと、または野望は何ですか?

MOAMETAL: 若い世代にメタルの素晴らしさを伝えたいですね。私たちはBABYMETALとしての経験を通じてメタルの美しさを学んだので、このメッセージを若い世代に伝える存在になりたいです。

――BABYMETALがいま勢いのある他のバンドやアーディストに影響を与えているという考えについてはどう思いますか? そんなことになると予想していましたか?

SU-METAL: BABYMETALのスタイルがしっかりと受け入れられたことは純粋に嬉しいですね。若い女の子たちがメタルやロックに興味を持つようになってきていると思いますし、メタルがもっとポップな音楽と混ざり合ってきている気がします。新しいサウンドと音楽の美しさをもっと多くの人に楽しんでほしいですし、私たちも進化して新しいものを創り続けられるようにしたいですね。

――BABYMETALとして旅路について以来、あなたたちが個人的に学んだことで最も大切なことは何ですか?

MOAMETAL: 音楽は普遍的なもの、世界共通だということです。世界中の人たちが音楽で一つになるという事実を目の当たりにすると、とてもハッピーな気持ちになるんです。世界中をツアーでまわる機会を得て、外国だけでなく日本についても学ぶことができました。そんな経験ができて、とても恵まれていると感じます。BABYMETALが大好きです!

――現時点で一緒にツアーをしたことがないバンドのうち、将来、最も一緒にツアーをしたいバンドは誰ですか?

SU-METAL: METALLICAさんとは一回だけご一緒する機会があったんですけど、METALLICAさんからは多くのことを学んだので、ツアーを最初から最後まで一緒にできたらなと思います。

――いま勢いがあるアーティストやバンドで,特に影響を受けたと感じる人はいますか? いるとすれば,それは誰で,何故ですか?

MOAMETAL: Bring Me The Horizonさんです。音楽が素晴らしいだけじゃなくて,メンバー全員が私たちに対してとても優しんです! 日本での11月のライブでは一緒にパフォーマンスする予定なので,今からとても楽しみです!

――これからの音楽業界に対してBABYMETALはどのようなインパクトを与えたいですか?

SU-METAL: BABYMETALというジャンルを創ることが私たちの目標です。私たちの音楽を通じて,もっとたくさんの人たちが日本の音楽とメタルの両方に興味を持ってくれたら嬉しいですね。


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