レビュー/「BABYMETAL - LIVE AT THE O2 ARENA」上品な派手さを極めたライブ
BABYMETAL - LIVE AT THE O2 ARENA / BABYMETAL
THE ONE Limited Edition
2025年12月発売
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| ジャケットがかっこいい |
BABYMETALが2025年5月31日にロンドンのTHE O2 ARENAで行った単独公演の映像作品。同会場で単独公演を行った日本人グループはBABYMETALが初という記念すべき公演である。
この作品には複数のエディションが存在するが,私が購入したのは「THE ONE Limited Edition」。Blu-rayのほかに全15曲を収録したライブCD2枚と64頁のライブ写真集がバンドルされたスペシャルパッケージ仕様だ。実質的にライブ音源が欲しくてこのエディションを購入したようなものである。
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| Blu-ray&CD&ライブ写真集 |
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| 貴重なライブ音源 |
同公演は日本の映画館で生中継&ディレイ中継され,私はディレイで観た(参照:ディレイ・ビューイング観戦記/BABYMETALのThe O2 Arena公演)。しかし同じ公演とはいえ,中継で見るのと,映像もサウンドも編集された“作品”を観るのとでは印象がまるで異なる。
BABYMETALにはマイルストーンとなる重要なライブがいくつかある。「ついにこの会場でライブを行ったのだ」という意味では,たとえば2014年の日本武道館,2016年のWembley Arena(BABYMETAL - LIVE AT WEMBLEY Trailer)と東京ドーム(BABYMETAL - LIVE AT TOKYO DOME Trailer),2019年のThe Forum(BABYMETAL - LIVE AT THE FORUM Trailer)などが挙げられよう。今回のTHE O2 ARENAでの公演は,間違いなくその系譜に属するレジェンド級のライブである。
同会場で単独公演を行なった初の日本人グループという話題性もさることながら,欧州での初お目見えから11年の歳月をかけて「道なき道」を突き進み,数々の逆境を跳ねのけ,大量のアンチをねじ伏せ,ようやくこの規模(キャパ約2万人)の会場でライブを行うまでにファンベースを拡大したという事実は涙なくして語れない。しかも「初めてのTHE O2」を完全ソールドアウトというおまけ付き。
そのような伝説的ライブなのでどうしても過大評価しがちになってしまうが,感情面での印象を極力排除した上で改めてこの公演の特徴をひと言で表現すると,「上品な派手さを極めたライブ」と言えるのではないか。
ステージセットの巨大さや演出の豪華さでは本公演の上をいくライブはいくつもある。2016年の東京ドーム2DAYS公演は会場の中央に“建設された”巨大なセットが観衆の度肝を抜いたし,2021年1月の幕張公演2DAYSは“超”が付くほどの巨大なスクリーンを駆使した光あふれる視覚効果が神々しいばかりだった(BABYMETAL - LEGEND - METAL GALAXY Trailer)。それらに比べればO2 ARENA公演のセットは比較的シンプルだし,スクリーンの大きさも巨大と言うほどではない。しかし,照明や音響,ステージセットなどあらゆる要素が平均的にきわめて高いレベルでバランスが取れていて,最初から最後までどこを探しても一部の隙すらないのが,このO2 ARENA公演なのである。威風堂々たるパフォーマンスと相まって,「大物感」も強烈。BABYMETALが「ネクスト」・ステージ」に突入したじことを強く感じさせるパフォーマンスだった。
このライブの個人的なハイライトはパイロである。いかにもBABYMETALらしい上品で豪華絢爛な公演ながら,おそらくBABYMETAL史上最も贅沢にパイロを炸裂させたであろうド派手なライブでもあるのだ。たとえばオープニングの“BABYMETAL DEATH”や中盤の“Song 3”,最後の2曲“イジメ、ダメ、ゼッタイ”と“Road of Resistance”などを観れば一目瞭然。ステージjの両サイドはもちろん,フロア中央に突き出た花道の両側まで一斉に火柱が吹き上がる。しかもその高さもかなりのものだ。ここまで過激に巨大な火柱を何度も立ち上らせていながら,実にパフォーマンス自体はカオスとは無縁で整然としており,パワフルでありながら実に優美なのである(“Sunset Kiss”の映像美!)。それが「上品な派手さを極めた」と表現する理由だ。
最後にパフォーマンスに関する細かな気づきを1点だけ。
BABYMETALの楽曲はライブを重ねるたびに磨かれて進化していくが,この公演では“BxMxC”でのSU-METALの歌唱の変化に驚かされた。ラップのテクニカルな側面での変化は明らかだが,その歌声の低音域の力強さが増していたことは完全に予想外でビックリした。その影響でこの曲のかっこよさと挑発的でクールなテイストがよりいっそう磨かれたと思う。BABYMETALの楽曲の中でも随一の飛び道具である“BxMxC”は,ライブを重ねることで最も進化を遂げた曲なのではないか。
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| 購入特典のA4クリアファイル |
【収録曲】
01. BABYMETAL DEATH
02. Megitsune
03. PA PA YA!! (feat. F.HERO)
04. BxMxC
05. METALI!! (feat. Tom Morello)
06. Kon! Kon! (feat. Bloodywood)
07. Sunset Kiss (feat. Polyphia)
08. Song 3
09. Headbangeeeeerrrrr!!!!!!!
10. RATATATA
11. Gimme chocolate!!
12. from me to u (feat. Poppy)
13. KARATE
14. Ijime, Dame, Zettai
15. Road of Resistance




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