考察:BABYMETALとは何か(2)

問い:BABYMETALとは何か

答え:
①BABYMETALとは現象である。
②BABYMETALとは絶対に無視できない存在である。
③BABYMETALとは物語である。

今回の(2)では,「BABYMETALとは絶対に無視できない存在である」という答えについて考察する。

○BABYMETALは絶対に無視できない

「聴いたら好きか嫌いしかない。でも絶対に無視できない」(マーティ・フリードマン/NHK-BS「アジア・ミュージック・ネットワーク」,2014年)。

ヘヴィ・メタルという音楽にダンス(振り付け)を導入するという突拍子もない試み(アイドルとメタルの融合)は,異文化の衝突以外の何ものでもなかった。しかもそのクオリティはメタル視点から見てもダンスという視点から見ても図抜けて高いという徹底ぶり。メタルという範疇にとどまらない,さまざまな音楽ジャンルの要素を躊躇なく取り込んで独自のスタイルへと昇華させるセンスは見事と言う他なく,ダンスはいわゆるアイドル的な可愛らしさを維持しつつも実態は極めてハードで,武道の演舞や格闘技にも通じるパワー,スピード,そして美しさを体現している。

BABYMETALの「異種格闘技戦」的なスタイルは,音楽(メタルに限らず)やアイドルファンの間で当然賛否両論を巻き起こした。音楽にしろダンスにしろ,どちらか一方が中途半端だったとしたら,BABYMETALはイロモノ扱いされて終わっていたに違いない。しかし実際には,BABYMETALが生み出す音楽は紛れもなく“本物”で,彼女たちのパフォーマンスは空前絶後にして唯一無二のものだった。だから「ケチを付けて,はい終わり」にはできないのだ。

あまりにも尖ったその個性ゆえ,BABYMETALを初めて体験した人の反応は好きか嫌いかの真っ二つに分かれることが多い。しかもその反応は両極端で,音楽の世界に突然変異のように出現した存在に対して拒絶反応を示すか,新たな地平を切り拓く存在として大絶賛するかのどちらかである。良くも悪くも,誰もがBABYMETALについてひと言云いたくなる。一度でもBABYMETALを体験したら,何も見ず,何も聞かなかったかのようにスルーすることはできないのだ。


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