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BABYMETAL鋼鉄の言葉 2020年12月版

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ベスト・アルバムの発売に合わせて複数の雑誌にBABYMETALのインタビューが掲載されたが,例によって名言のオンパレード。メタルの魂を継承する者としての強い覚悟が言葉の端々から感じられるインタビューばかりだった。ここでは印象的な言葉の数々をピックアップして紹介する。 【BABYMETALについて】 音楽業界を含めて日本と海外の架け橋みたいな存在になりたいんですよ。以前はBABYMETALっているジャンルを作りたいってずっと言ってたんですけど,今はメタル含めて,そういう存在になりたいです。 ――SU-METAL|『ヘドバン Vol.28』(2020年) 私たちは強い気持ちや強い志を持ってメタルをやっていると思ってます。 ――SU-METAL|『ヘドバン Vol.28』(2020年) 道がなさすぎる。(SU-METAL) いつになったらできるのやら。(MOAMETAL) ――『ヘドバン Vol.28』(2020年)|10年経っても道なき道を突き進んでいることを評して 批判してくれるってことは無視してるんじゃなくて,ちゃんと反応してくれているということ。それだけ影響を与えることができているってことは,BABYMETALの音楽って結構すごいのかもしれないっていうポジティブな気持ちで。 ――SU-METAL|『METAL HAMMER JAPAN Vol.4』(2020年) 年々変わることを恐れはじめていたんじゃないかなって。BABYMETALはこうあるべきだっていう発想に,自分たちもなってしまっていた。 ――SU-METAL|『ROCKIN'ON JAPAN』2021年2月号(2020年) 挑戦したくなるのかな,私たちって。できる気がしちゃうのかな。 ――SU-METAL|『ROCKIN'ON JAPAN』2021年2月号(2020年) ある意味,“自分の人生そのもの”になるのかな。 ――SU-METAL|『ヘドバン Vol.28』(2020年)|BABYMETALで活動してきた10年間 私はBABYMETALを自信を持ってメタルだと思ってるからメタルなんです。 ――MOAMETAL|『ヘドバン Vol.28』(2020年) 愛ですね。愛! ――MOAMETAL|『ヘドバン Vol.28』(2020年)|BABYMETALでの10年間を評して 私の中でBAB...

レビュー/BABYMETALのベスト盤「10 BABYMETAL YEARS」

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10 BABYMETAL YEARS / BABYMETAL 2020年12月23日発売(初回限定盤A/初回限定盤B) テッド・ジェンセンによるリマスタリングによって,特に昔の曲ほど音質が向上した。全体的に音像がクリアになり,各楽器の音の輪郭が明瞭になったと感じる。特にドラムにその影響は大きく出ている。アタック音がマイルドになってバスドラとスネアの音が聴きやすくなった。加えてシンバルの繊細な高音もクリアに。このような表現が合っているかは分からないが,上品なドラム・サウンドに仕上がっていると思う。どの曲も空間的な広がりがより感じられるようになった。過剰に音が詰め込まれた作品があふれ,音圧も音の密度もひたすら「強く,高く」を追い求めるケースが多い中,「押す所は押し,引く所は引く」というテッド・ジェンセンの「引き算の美学」とでも言うべき仕事っぷりは称賛に値する。 スタジオ・アルバムが3枚しかない中でのベスト盤なので,収録曲が全10曲というコンパクト仕様なのは当然だろう。問題は曲のセレクションだが,これはもう言い出したらきりがない。リストはファンの数だけ存在するだろうし,コアなファンにとっては「全部がベスト」であるはずだ。BABYMETALが提示してきたものを謹んで受け取るしかない。 とはいえ,収録されている10 曲はとりあえず誰もが納得するであろう珠玉の10 曲であることは間違いない。1stから5曲,2ndから3曲,3rdから2曲というバランスも妥当だ。いずれも公式MVになっており,BABYMETALを代表する曲ばかり。変化球的な曲やクセが強い曲(いわゆる「なんじゃこりゃ!?」路線)ではなく,BABYMETALなりの王道路線を行く,剛球一直線な曲が中心になっているという印象だ。だからといって同じような曲が並んで一本調子になっていない点が素晴らしい。アルバムをリリースするごとに曲のテイストの振り幅を大きく広げてきたBABYMETALの変化がよく分かる。いたずらに曲の順番に凝らずに,時間軸に沿って1stから順番に並べただけのシンプルな構成にしたのは正解だ。 以下,リマスター盤との差が特に顕著な1stアルバムの5曲について,オリジナル盤との比較を簡単に記してみた(あくまでも主観)。 01 ド・キ・ド・キ☆モーニング リマスターの恩恵を最も受けたのは,おそらくこの曲だろう。地を這...

レビュー/まさかの曲も披露された充実の企画!BABYMETAL結成10周年企画「STAY METAL STAY ROCK-MAY-KAN」

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「STAY METAL STAY ROCK-MAY-KAN」は素晴らしい企画だった。選曲は発売間近のベスト・アルバムにほぼ沿っており,収録予定の10曲中8曲が披露された(披露されなかったのは“イジメ、ダメ、ゼッタイ”と“THE ONE”)。びっくりしたのがサウンドの素晴らしさ。特に1stアルバムや2ndアルバムの曲は音質が劇的に向上していたように思う。音像がクリアになってメリハリが効いており,ソリッドなサウンドになっていると感じた。たとえば冒頭の“ヘドバンギャー!!”はドラムの音がとてもタイトだし,続く“ド・キ・ド・キ☆モーニング”は音像がクリアになってこの曲が元来有していた地を這うようなグルーヴ感がいっそう強調されていると思う。ひょっとしたらテッド・ジェンセンがマスタリングを手掛けたベスト・アルバムの音源を流用したのではないかという気がする。このライブでは神バンドの姿がステージ上には見られなかったことも,そう考える一つの根拠。 曲によってはサンプリング音源が未使用だったり,合いの手が無音だったりするものもあった(“ヘドバンギャー!!”の「ヴォイ!」や“メギツネ”の「ソイヤソイヤ」など)。意図的にそうしたのかどうかは定かではないが,それは本来のライブであればオーディエンスが叫んだであろうパート。あえて無音にすることで視聴者に対して「自宅で叫べ!」というメッセージを送っていたのかもしれない。一体感を醸成するための苦肉の策か。 結成10周年企画ということもあり,ステージ後方に設置されたモニターには演奏中の曲の過去映像が流されるという心憎い演出も。視聴中の画面にも随所に過去映像が挟まれ,今までBABYMETALが歩んできた道のりを視覚的に振り返りながらパフォーマンスが楽しめる。特に初期の映像のインパクトは強烈で,3人の幼さが際立つ(特にYUIMETALとMOAMETAL)。成長期の10年という時の流れがいかに濃密で劇的であるかということがよく分かる。 わずか8曲のセット・リストではあるが,最もインパクトがあったのは2曲目の“ド・キ・ド・キ☆モーニング”だったのではないか。「KAWAII METAL」を象徴する初期曲は最近のライブでは封印されているため,まさか「大人カワイイ」路線にかじを切った今のベビーメタルがこの曲を披露するとは完全に予想外だった。しかもSU-METALが...

BABYMETALがついに紅白歌合戦に出場決定!

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 BABYMETALが「第71回 NHK紅白歌合戦」に出場することが11月16日,発表された。 多くのファンにとっては諸手を挙げて大歓迎の紅白初出場決定だろう。テレビはオワコンだと言われて久しい中,それでも昨年の視聴率は第1部=34.7%で,第2部=37.3%。一昨年以前もコンスタントに35%~40%を叩き出すモンスター番組なのだ。マンネリが指摘されたり演出や選考基準が物議を醸したり,何かと話題になる番組だが,今なお日本人にとっては抜群の知名度を誇る国民的歌番組であることに変わりはない。そんな「出場することがステータス」になる番組に,ついに「世界のBABYMETAL」が出場するのだから,これはもう素晴らしい話以外の何ものでもないだろう。 もちろん,気がかりな点を挙げればきりがない。たとえば…… ・曲が短く編集されてしまうのではないか。 ・独特の茶番劇,司会者と出演者の珍妙な掛け合いに巻き込まれてしまうのではないか。 要するに紅白歌合戦に独特の演出や縛りの影響を受けてしまい,BABYMETALが本来の魅力を存分に発揮できないのではないかという懸念である。 これはまっとうな懸念であり指摘であると思う。 時間的制約から,披露される曲は短くアレンジされることが半ば標準化しているのは事実だ。それどころか,多くの人が知るように「紅白特別メドレー」的なものになってしまう場合もある。いずれにしても曲のオリジナリティが大きく損なわれてしまい,その曲やアーティストの魅力が最大限発揮されなくなってしまうことになる。個人的には曲とアーティストへの敬意を欠いた,きわめて失礼な演出だと思う。 また,NHKの番宣の色合いが強い珍妙な掛け合いにアーティストが加担させられることもある。これは「歌」本来とはまったく無関係の余計な演出であり,茶番以外の何ものでもないと思う。曲を短く編集してしまう一方で,そんな余計な演出に時間を費やすというのは本末転倒だ。 このように,紅白に出場したところでBABYMETALの本質的な魅力が十分伝わらない可能性があるわけだが,そのような負の要素を差し引いても多大なる恩恵に授かることができるのもまた事実である。老若男女を問わず多くの人が家族ぐるみで見る歌番組(視聴率40%弱!)に出演するということは,他の何ものにも代えがたい巨大なインパクトを有する広告宣伝活動にほか...

またしても名言ザクザク!「別冊カドカワ 総力特集 BABYMETAL」

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BABYMETALの結成10周年を記念して発売された『別冊カドカワ 総力特集 BABYMETAL』は,例によって名言のオンパレードだった。彼女たち自身が発する言葉に接する機会はめったにないので,4万字を超えると歌われている超ロングなインタビューは,ファンにとってはまさにバイブル。今回は気になった発言をいくつかピックアップしてみた。 まずはSU-METALから。 すごく印象に残っているのは,初日の大阪のライヴかな。初めての全曲生バンドっていうライヴで,その時に記憶が飛んだことを覚えてます。ライヴをしている自分とは別に頭の上辺りからライヴを楽しんでいる自分がいて,誰かにあやつられているかのように思い通りに出したい声が出て,気持ち良かったです。絶対成功するってどこかのタイミングでわかって,ただライヴを楽しんでいました。 2012年5月の「BABYMETAL DEATH MATCH TOUR 2012-五月革命-」についてのコメント。このエピソードは今までにも何回か語られてきたものだが,「五月革命」初日の大阪公演でのこととピンポイントで語られたのは今回が初めてではないかと思う。すでに8年も昔のライブになるが,それが今でも強烈に印象に残っていることに驚きを禁じえない。当時のSU-METALは中学3年生。この時はいわゆる「ゾーンに入った」のではないかと推測するが,その後似たような経験はなかったのかが気になるところ。 「メギツネ」は自分にとって未だに課題曲です。この曲は全ての基礎が入っていて,自分の苦手な音域,速いリズムと流れるメロディー,歌とダンスの呼吸を合わせたり…なのでこの曲を基礎練習として歌って今の自分の課題を見つけています。 素人ながらに難しい曲なんだろうなとは思っていたが,調子のバロメーターを計る正真正銘の課題曲であり,ライブ前のウォーミングアップでも歌う曲でもあることを初めて知った。この曲がリリースされたのは2013年。当時と今とではSU-METALの歌唱法はまるで異なるだろうが,それでも7年もの間(そしておそらくこれからも)課題曲であり続けるという点が興味深い。それだけ多くの要素が詰め込まれているからこそ,“メギツネ”はライブで欠かせない名曲でもあるのだろう。 バックヤードのケータリングの場所とかでかなり目立つんですよ,私たちって。メタルフェスで,小っちゃい女の子...

BABYMETALの異色曲“BxMxC”のMVが何の前触れもなく突如公開

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BABYMETALの結成10周年にちなんだ「10月10日」を目前に控えた10月8日,“BxMxC”のMVが突然公開された。 ライブ映像ではないMVは久しぶり。BABYMETALのYouTubeチャンネルを覗いてみたところ,ライブ映像ではないMVは2018年10月19日に公開された“Starlight”以来なので,およそ2年ぶりのこと。やはりずいぶん久しぶりのことなのだ。2人が躍動するオリジナルの映像はやっぱり良い。ブルータルなサウンドも最高だ。 アルバムで異彩を放つこの曲は2020年1月の幕張公演2日目にライブとして世界初披露され,その超個性的かつ圧巻のパフォーマンスがオーディエンスの度肝を抜いた。アルバムで聴くのとライブで目の当たりにするのとでは,受け手が抱く印象がまるで異なるのだ。それ以来,この曲の評価はうなぎのぼりと言っていいだろうが,そのようなファンの声がこの曲のMV化を後押しした側面もあるように思う。コロナ禍にあって活動が制限されてしまうアーティスト側の事情とファンの求めるものが一致したのが,“BxMxC”の映像化という選択肢だったのだろう。 それにしても, 観れば観るほどSU-METALのカッコよさにほれぼれする。ラップバトルを繰り広げながらもメタル然としたアクションがクールだし,何より彼女の最大の魅力である「目」「眼差し」「視線」が強烈なオーラを放っている。振り付けが決まっていて何かと制約が多いライブとは違って、ある程度の自由あるいは自然さを感じさせる振り付けがなされている点もこのMVの魅力だと思う。 BABYMETALのステージはミュージカルのようだけど,このMVを観ていると中元すず香のなり「切りっぷり」に感服させられる。BABYMETALのSU-METALというキャラクターに完全に没入して,SU-METALを完璧に演じている。その様子はもはや演技には見えず,完全なる別人格が生み出されているかのよう。 対戦型格闘ゲームを思わせる演出や,古参のファンには懐かしい「天下一メタル武道会」という設定を持ち出す遊び心が,いかにもBABYMETALらしくて良い。おそらく特に深い意味はないのだろうが,過去の諸々がきちんと今につながっている感じがする。そのような物語性のようなものは,やっぱりBABYMETALの魅力なのだと思う。

レビュー/BABYMETAL「LEGEND - METAL GALAXY -」(Blu-ray&CD)ネクスト・レベルに突入した最高のライブ

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LEGEND - METAL GALAXY - (Blu-ray) / BABYMETAL LEGEND - METAL GALAXY - DAY-1 (CD) / BABYMETAL LEGEND - METAL GALAXY - DAY-2 (CD) / BABYMETAL 2020年9月発売 2020年1月25日と26日に幕張で行われたBABYMETALのライブ「METAL GALAXY WORLD TOUR IN JAPAN EXTRA SHOW」の模様を収録した映像作品とライブ・アルバムがリリースされた。Amazonで初回限定盤を購入したので,一気にレビューしたいと思う。 ■CD 「LEGEND - METAL GALAXY -」 THE ONE限定のライブ盤は多数リリースしてきたBABYMETALだが,本作は一般向けのものとしては「LIVE AT BUDOKAN ~RED NIGHT~」(2015年),「LIVE AT WEMBLEY」(2016年)に続く3作目である。 ライブのおよそ2ヶ月前、2019年10月に発売された3rdアルバム「METAL GALAXY」の通常盤に収録されている全14曲(実際には「Japan Complete Edition」収録曲も1曲あったので,全15曲)を2日に渡って披露した圧巻のライブは,ファンに絶大なインパクトを与えた。その様子を完全収録した音源なので,あの2日間を体験して奇跡を目の当たりにしたファンならば,このCDを聴けばあの時の興奮が脳裏に蘇ること間違いなし。チケットを入手できず涙をのんだファン,あるいはそれほどでもないライト層にとっても十分楽しめるボリューミーな作品だ。 1月のライブの素晴らしさを追体験するには映像作品の方を入手した方が手っ取り早いが,このライブ・アルバムはサウンドが素晴らしくて臨場感もあるので,これはこれで一聴の価値がある。かつてBABYMETALのライブ・アルバムといえば,そのサウンドは必ずしも良いとは言えず,ライブ盤1作目となる「LIVE AT BUDOKAN ~RED NIGHT~」以外はあまり褒められたものではなかった。しかしTHE ONE限定の「LIVE AT THE FORUM」あたりからそのような傾向はだいぶ改善され,本アルバムのサウンドはかなりバランスが良くなったと思う。...